力の構造。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

全国的に梅雨入りをしてきて(沖縄は梅雨明け!)、なかなか思い通りに練習ができないという方もいらっしゃるかもしれません。
外を走ることから得られることもたくさんありますが、走らなくても出来ることにも目を向けてほしいなと思っています。こうしていろんな話題に触れていく中で、何かを感じてもらえれば。

 

 

さて、前の記事において、ウォーキングやランニングで前に進むためには何が必要かということには触れました(参考記事:2つの技術)。

 

では、今日は具体的にどんなポイントを押さえるべきかという点に触れてみましょう。

 

足の構造

全身の骨の数は206あるとされています。そのうち足部(くるぶしから下)にはどれくらいの数があると思いますか?

 

答えは…

 

 

56!

身体の部位としてはごく小さな割合にもかかわらず、全身の骨の約1/4が足部に集中しているのです。

 

骨の役割は大きく分けて5つあると言われています。内臓などの保護、造血、カルシウムの貯蔵場所の3つの他に、「身体を支える」・「運動の起点」という動作にかかわる役割があります。

 

自分の身体を動かすには、何かに接している面から力を得ることが必要であることは前の記事で触れたとおりです。
肋骨などは寝そべっているとき以外はどこかに触れていませんよね。最もどこかに触れているのは「足部」ですから、最も運動機能に影響を及ぼす骨が足部であると考えることができます。

 

 

その足部の骨(アーチ部分)を横から見ると…

一般的にはこの図のように踵の方に大きな骨があり、中央部は少したわんでいて(土踏まず)、母指球辺りから再び接地している形になります。

この中央部の「たわみ」があることを「アーチが高い・低い(≒偏平足)」のように表現することがあります。耳にしたことはあるのではないでしょうか。

 

 

エネルギーを生むためにはこのたわみを利用することが効率を上げるポイントとなります。

たとえば次の図を見てください。

こういう形のバネがあるとしましょう。上から力を加えて反発力を生もうとした際に、どこが一番大きな力を生むでしょうか。

このように頂点に近い場所に加えれば、「たわみ」を大きく作ることができ、それと同時に元に戻るときに大きなエネルギーとなります。
逆に右端や左端ではうまく跳ねることさえないかもしれません。

 

 

前進する動作でも同じです。具体的には脛骨の真下(くるぶしの下あたり)での接地ができた場合に、この力を最も大きく生み出せると考えられます。

  

この脛骨の下での接地は、周囲の骨・腱に効率よくアプローチすることができるため、衝撃を分散させることにも繋がり、関節にかかる負荷も小さく出来ることが期待できます。(※ただし骨格による違いや瞬発力を限界まで引き出したいという目的が異なる場合には、また違う話になってきますので混同なさらぬよう。)

 

 

「じゃあここ数年よく聞くフォアフット走法って効率悪い(間違い)なの?」

と思われるかもしれません。おそらく「一般に」受け入れられているフォアフットの概念は間違いといえるでしょう。
これに関しては、また別の機会に…

 

 

閑話休題。
この足部の力を生む構造をうまく利用する接地ができるようになれば、動きの効率(パフォーマンス)の向上を狙えます。

 

形だけ真似しようとしたら、おそらく腰の引けた奇妙なフォームになってしまうかも。。。

 

この動きを小手先で作るのではなく、スムーズに引き出すことができる技術を身につけることが必要になります。
そのためのポイントを最後に触れたいと思います。