期待するのはぶつかり合い。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

先週末に山口県で行われた全日本実業団ハーフマラソン大会。こちらは世界ハーフマラソンへの派遣選考も兼ねていたので、順位争いも見ものでした。

この1週間前には丸亀ハーフマラソンで日本記録も出ていますので、記録の面でも期待(参考記事:壁を越えた先に)。

スタートをすると、先頭にルンガル・ジェームス選手が抜け出し、第2集団に日本人選手を中心とした大集団という展開。

その差は終始大きく詰まることも離れることもなく、ただただ同じくらいの差でレースは進みました。

 

もちろん順位が大事だというのはわかるのですが、もうちょっと積極性を見たかった。
先頭は最初の5kmは14分33秒、その後は14分10秒~17秒のスプリットタイム。対する第2集団は入りが14分50秒、その後は14分12~25秒。
確かに差はありますが、最初の5kmは決してついていけないほどの速さではなかったはず。ここで挑戦する選手を見たかったというのが本音。

 

 

全体としては好記録続出でした。じっくり行ったのが功を奏したといえばそうなのでしょう。
展開としては盛り上がりに欠けたと思いますが、盛り上がるかどうかは選手には関係ないですからね。盛り上げたからと言って何かの補償やボーナスがあるわけでもありませんし。でもなぁ…

 

優勝はルンガル・ジェームス選手。1時間0分27秒で逃げ切り。2番手に1時間0分49秒で古賀淳紫選手。ニューイヤーや都道府県駅伝などで好調をアピールしていた選手。終盤のロングスパート、そして最後の粘りはお見事でした!こういう気持ちを出すタイプの選手、好きです。

 

 

これまでハーフマラソンの記録を見ると、2017年までは60分台を出した日本人は8人。

そこに先日の丸亀で2名が加わり(どちらも歴代最高記録を上回る)、そしてこの日の山口では一気に8名!

 

シューズがどうこうというところが騒がれていますが、全体のレベルの底上げ、気持ちの面での違いは間違いなくあるはず。

同じチームや同世代で好記録を出す選手がいれば「俺も!」となるのは自然なことかもしれません。

 

この流れに乗って、全体が速いというより突出した記録が出てくれることを期待。

 

 

 

ちなみに女子は序盤からサバイバルの様相。じわじわと集団の人数が減っていく中で、先頭を引っ張った萩原選手も遅れる。

先頭集団で目立たない場所を走っていた池満綾乃選手、筒井咲帆選手、竹山楓菜選手が終盤三つ巴の展開に。 

 

マラソンで日の丸を付けたことのある池満選手が仕掛けようとするも抜け出せず、逆に後れを取り始める。

筒井選手が一瞬のスパートで抜け出したかと思いきや、竹山選手は落ち着いて対応。一度遅れた池満選手も再度追い上げ競技場に入る前には再度先頭に立つ。

 

こういう「ぶつかりあい」みたいな展開は非常に面白い(見ているだけだから…)。

トラック勝負はラスト200mでおそらく初めて仕掛けた竹山選手が一気に突き放し、見事優勝のゴール。1時間9分12秒は自己ベストを3分ほど更新とのこと。

この次元で3分というのは凄すぎる。

 

女子はまだまだ日本記録と、それ以外の記録に大きな差があります。このあたりも男子同様高い次元で争いを見られたらと期待したい。