適度な距離感。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

数年前まではとても高価で持っている方も多くなかったGPS機能のある時計。ランナー人口が増加と言われていた時期に、コアなランナーからライトな市民ランナーまでそれぞれの用途に合わせたタイプが登場しました。

それに伴い、距離や時間、ペースなど基本的なものだけ確認できるシンプルで比較的安価なものから、さまざまなデータを取れる高機能なものまで広がりました。

私も使っています。6年目に突入した先月ベルト部分が破損しましたが…

 

今、ベルトを新調するか補修するかで悩んでいます。本体が元気なだけにまだ買い換えは選択にはありません。

 

 

メリット

GPS時計のメリットとしては、やはり距離やペースがわかること。家の周りや初めて行く場所を走るときに大まかな目安になるので、とても便利です。

日常使いでも過去のデータも蓄積されていくので、軸になるトレーニングや同じ大会に出た際にタイムの比較などをすることも出来ます。

 

また自分の感覚とスピードの「すりあわせ」をするためにも有効的です。ご自身のランニングコースの選択肢に距離のわかる場所があればGPS機能はなくても良いのですが、なかなか全ての人がそういう便利な場所に行けるわけでもありません。

日々のトレーニングの中で、感覚と実際のスピードをつかんでおくことで、焦らずにペースメイクをすることが出来るようになります。

 

 

デメリット

管理できてしまうが故に、デメリットもあります。自分で壁を作ってしまうことに繋がるかもしれません。

たとえばキロ5分ペースで走ることにこだわったとしましょう。その結果、どんなに調子が良くても、どんなにレベルが上がっていてもそれを超える走りを出来る可能性が減ってしまうのです。チャンスを自ら潰してしまうかもしれないのです。

 

コントロールしていくと大崩れはしにくい反面、大当たりもなくなります。ペースを見て4分台になっていたら「どおりできついわけだ、少し落とそう」という意識が働くのです。

そういった思考が癖になっていると、成長の芽を自ら摘んでしまうことになりかねません。

 

またただメーカーや使用する場所によって捕捉精度に誤差もありますし、大会によって接地している距離表示との誤差に惑わされてしまうこともあり得ます。

すると1km毎にペースの上げ下げをしてしまい、身体の負担が大きくなって終盤失速ということに…

 

 

適度な距離感

人との関係もあまりにべったりになると難しいところが出てきやすくなります。便利なツールも同様で、適度な距離感を保って付き合うのが良いのかもしれません。ですからGPS時計は目安づくりとしてみてはいかがでしょうか。

 

・日常で走るときには、呼吸や視界から流れる景色などと実際のペースをつかむためのヒントとする。

・レースで使う時には5kmや10kmなど大きなスパンで捉える目安として、微調整をしないようにする。

 

今では心拍機能がついていたり、ランニングエコノミー(動作性)などを計測するものもあります。

日常のトレーニングを、少しゲーム感覚も取り入れて楽しみながら長く続けるきっかけにしていくためのツールの1つとして捉えるのもいいでしょう。

 

時計に走らされるのではなく、自分で走るようにすると壁を越えられるかもしれませんよ。