JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
運動を始める方の中には「体重を減らしたい」という目的を持っている方が少なくありません。
体重を減らすためにはネガティブなイメージが強い脂質。
「肥満に繋がる」とか「体脂肪が増える」とばかり思っていませんか?
では脂質は、そのような目的を持つ人にとって敵なのでしょうか。
簡単にまとめていきたいと思います。
そもそも脂質は必要?
身体のエネルギーの源として大きな影響を持つ3大栄養素には、タンパク質、炭水化物、そして脂質が挙げられます。
つまり、脂質も栄養として重要な役割を持っているのです。
家庭科の授業で聞いたことがあるな…という方もいらっしゃるかもしれませんが、タンパク質・炭水化物が4kcal/gのエネルギーなのに対し、脂質は9kcal/gと効率の良いエネルギー源です。
体温保持に役立ったり、細胞膜を構成する成分であるだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収を良くするという効果も持っており、健康的な生活を送るには必要な成分なのです。
そのため脂質を極端にカットすることは、身体のバランスを崩すおそれがあるので、オススメは出来ません。
貯めたら使うサイクルを
身体には必要だからと言って、たくさん摂りすぎては、身体にため込む一方になってしまいます。
その状態が長期間続くと、体重増加に繋がりかねません。
そこで脂肪をエネルギーとして循環させるためのサイクルを作り上げる必要が出てきます。
身体に蓄えられた中性脂肪は、安静にしていては減りません。
寒さなどの外的な刺激を受けたり、身体が動いてエネルギーが必要になるときに人は交感神経の働きが優位に立ち、脂肪が燃焼するサイクルが動き出します。
まず脂肪が分解され始めます。分解されたうえで運動をすることで、効果的にエネルギーになります。
ちなみに、俗に「脂肪が燃え始めるのは運動開始から20分以降」と言われていますが、あくまで目安です。
一度に長い時間が取れない場合は、小分けでも構わないでしょう。少しの時間でも続けることが大切です。
もちろん長めに時間を取ることが出来れば、それだけエネルギーを使えますので効果は期待できます。
運動をするにしても、3日坊主で体重が減ったとしても、それはただ水分が減っただけなのでご注意を。
長期間継続することで、身体がエネルギー循環のサイクルを記憶して、効果的に燃えやすくする構造が出来上がります。
継続することで筋肉も発達していき、基礎代謝が上がり消費のサイクルが確固としたものになるのです。
何かを断つのではなく、上手に使えるサイクルを作ってあげることが健康への道です。
上手に付き合っていきたいですね。