JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
「ルーティン」とは決まった一連の動きや行動パターンなどを指します。
ラグビーの五郎丸選手のキックや野球のイチロー選手が打席に入る時、体操の内村選手の跳馬のスタート前などは、スポーツに興味がある方は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
動作ではありませんが、フィギュアスケートの羽生選手は「できる・できる・できる」と唱えてから演技に入るそうです。
これらはプレーをする時のものですが、「靴を履く足はこちら」とか「移動の服はこれ」というようなものもルーティンの1つであると言えます。
プレーをする際、またはそこに至るまでの準備ですね。
あなたにルーティンはありますか?
自己流のルーティン
今日は大会の2日前ということで、自己流のルーティンの一部である追い切り練習をしてきました。
これは出場大会の距離などによって内容は若干変えますが、基本はジョグから入って3段階のビルドアップを行い、目標のレースペースまで持って行くというものです。
私の場合はこれを行うことで、現状での調子や身体の状態などが把握できるだけでなく、気持ちも上がるきっかけとなります。
当日のスタート前には、身体的に刺激となるものから精神的に集中をするためといった様々な目的を持って行うルーティンも行っています。
これを当日に自然に行える時点で、緊張などない良い精神状態で迎えられているという実感を得ることが出来ます。
イメージを作っておく
どの種目であれ、本番のイメージをすることは重要です。
そのイメージを具体的なものにするためには、まず自分を知る必要があります。
今の自分が出来ることは何なのか。
当日にはどういう状態が想定できるか。
こういった自分に関するものは、普段の練習の中で作り上げることが出来ます。
球技や相手がいる種目に関しては思い通りにならないことも多いですが、自分が出来ることを把握していなければ、いざその時が来たとしてもチャンスをものにすることは難しくなるでしょう。
身体を動かす時間を合わせるということも効果的です。
起きる時間や動き出す時間、休日であれば起きてから朝食、動きだすまでの時間などを調整して、試合当日に近いリズムを可能な限り身体に覚えさせるのです。
もちろん仕事などがあって思い通りにいかないことはあるでしょうが、不規則にしないというだけでも十分効果はあります。
休みだからぐっすり寝たい。
そんな気持ちもあるとは思いますが、リズムを乱さないことは身体が動きやすくするための方法の一つです。
準備が生み出すもの
練習の中で努力してきたことは「ここまで出来る」という自信を生みます。
「あの時苦しいのを頑張れたんだから今日できないわけがない」という強いメンタルを生み出します。
今できること(=自分のこと)に集中をすることが出来ます。
こういった自分の中の整理が出来ると、心身のリラックスをもたらし楽しむことが出来る余裕さえ出来るようになります。
そして満足なパフォーマンスを発揮できる準備が整うことで、周囲に対して負けたくない気持ちに繋がることもあるかもしれません。
このように自分の気持ちを高めていく中で、目標が明確になっていなければその気持ちを向ける方向が定まりません。
勝ち負けや順位など試合の結果に対するものだけでなく、自分の中でのパフォーマンスに対しての目標も決めておきましょう。
順位に関しては相手が関係してくるので自分の力ではどうすることも出来ないこともあります。
一方、自分の中の目標であれば自らのプレーをコントロールできますし、次回へつなげることも出来ます。
理想は自分のことに集中して、振り返ってみたら結果がついてきた、くらいが良いのかもしれません。難しいですが(笑)
大会や試合が決まったら、すでにその時点から大会は始まっています。
全て思い通りになることは100%あり得ませんので、準備をやりすぎるということはありません。
周到な準備を進めれば進めるほど、課題も見えてきますし当日の満足感もより味わえるようになります。
是非、準備をルーティンの一部に組み込んでみてください。
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