JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
昨日の記事ではルーティンを持ち、それをこなすことの意味を書きました。
人によっては全くと言っていいほど影響をされない場合もありますが、たいていの人は「緊張」によってパフォーマンスが変化してしまう可能性があります。
それが適度の緊張であれば、いい方向に機能し「ゾーン」と呼ばれるような集中できる精神状態に入ることが出来るかもしれません。
しかし、そうではない場合はパフォーマンスを落としてしまうということもあり得ます。
普段からの肉体的な鍛錬はもちろん結果に影響しますが、当日にメンタル面のコントロールが出来るかということはその培ってきたものを存分に発揮できるかに大きな影響力を持ってきます。
緊張のデメリット
私は以前、人前で歌う機会が度々ありました。
数百人のお客様がいるホールで初めてステージに立った時には、緊張から足が震えて、それを止めるのに必死だった記憶があります。
記憶力は悪い方ではない(と思う)のですが、この時ばかりはほとんど演奏のことを覚えていません。
しかし、経験を積んだり技術を磨いていく中で、次第にそのような緊張を感じることはなくなりました。
緊張は色々な形で見えることがあります。
口が渇いたり、声が裏返ってしまったり、表情がこわばったり、口数が極端に増減したり。
胸がドキドキするなんていう経験、一度はありませんか。
初めてのことに挑戦したり、人の注目・期待を浴びる時などはこういうことが起きやすいかもしれませんね。
そういう時に「普段通り」のことが100%出来るでしょうか。
厳密に言うと「普段通りにやろう」と考えている時点で、実は普段通りとはなっていないかもしれませんが、いつも通りに限りなく近づけることは意識の中で可能です。
そこで役に立つのがルーティン。
集中を高めるためのルーティンを作っておくと、身体を過度の緊張から解放するきっかけになるでしょう。
キーワードはスイッチ
では具体的にどのような方法があるでしょうか。
個人的なオススメは、音楽を聴くことです。
私が会場に車で向かう際には、必ず決まった音楽を聴きます。
好きな音楽を聴くことで、気持ちにスイッチを入れて盛り上げることができます。
前向きな言葉がたくさん聞こえてくると、自分も「出来る!やるぞー!」という気持ちになってきます。
車が無くても、今は音楽を手軽に聞ける手段は数多く存在しますよね。
好きなことを行うと脳は活発に働き、記憶を基にした意識や感情などをコントロールできるようになります。
逆に嫌いなこととまではいかなくても、脳が良い状態でない場合にはストレスを感じ血流さえ落ちることもあります。
血流が落ちると、体温が上昇しにくくなり、身体を動かすのによりエネルギーを要します。
適度に体を動かして、身体にスイッチをいれることも緊張から解放するためには有効です。
毎回練習をする前の準備などで、決まった動きを1つで良いので取り入れましょう。
その動きで身体は「これから動くのだ!」という認識をしてくれるので、スイッチの一つになります。
もしあなたがそういう決まった動作をしていない場合には、軽くウォーキングをしてみるだけでも良いでしょう。
大会の場合は、日常生活では行かない場所であることが多いです。
仮になじみのある場所だとしても、たくさんの人やブースが設置された景色は、いつもと違って新鮮に感じることが出来るでしょう。
「新しいこと」という刺激は脳のスイッチを押して働きを活発にしてくれます。
同時に、少しでも身体を動かすことは血流を良くして、身体的な準備も同時に勧めることが出来ます。
また表情を意識的に柔らかくすることは、全身の緊張をほぐすのに役に立ちます。
表情筋をフル活用して、顔面を「これでもか!」というほどに動かしましょう。
私は発声練習などをする際に表情を動かすということを行っていたので、今でも比較的顔面を動かすことができますが、そのような経験が少なく顔をあまり動かせない場合は、眉間を指でマッサージしてください。
笑っている時に、身体がガチガチに固まっている人は少ないと思います。
逆に身体が硬いときは、表情もこわばっていませんか?
怒りながら笑うという竹中直人さんのような芸が出来れば別ですが(笑)
表情を明るくするように、顔を緩めるだけでも身体の緊張を緩和することが出来ます。
これらはあくまで一例です。良い方法は人の数だけあります。
あなたも「いつも通り」を大事な時に発揮できるように、流れを自分の力で作ってみませんか。