JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
今日も各地で数多くのマラソン大会が行われていましたね。
参加された皆様、お疲れさまでした!
全国的に今日は安定した天候になったようで、むしろ暑さとの戦いとなった場所も少なくないのではと思います。
ランニングのように長時間身体を動かす種目では、自分のレベルを上げることはもちろんですが、環境をその培ってきた力を発揮できるものにどれだけ近づけられるかが重要になってきます。
いくつかの点からチェックを進めてまいりましょう。
-
天候
季節からある程度暑くなるのか、寒くなるのかという想像はつくと思うので、目標大会として設定した場合は、想定される気温に合わせた対応をしておくべきです。
身に着けるウェアなどをうまく利用して、暑さ・寒さに一定期間かけて身体を順応させておきましょう。
また人の力では変えられないポイントですが、当日の天候・気温は必ずチェックしておきましょう。
ウェアの選択や装備品も含めて、対策が大きく変わってくるからです。
-
体調管理
自分である程度コントロールできるものとして、体調があります。
当たり前ですが、風邪などでコンディションを落とさないようにする必要があります。
仕事があって難しいという方も多いと思いますが、なるべく休息をとって疲れを残さないこと。
またお酒の量を調整したり、食事の内容を微調整することで、動きやすくするための身体の準備を進めることが出来ます。
特にレース前の7~10日からの間だけ、ちょっとした意識をする程度でも効果は表れます。
-
走力
何と言っても、一番必要なのが実力をつけること。
これにはある程度長期間でのトレーニングが必要です。
はっきり言って大会前だけ頑張っても力はつきません。
ただ力を出しやすくするための準備は出来ます。
現状をしっかりと把握すること。
一番大事なことです。
もちろん大会出場を決めたときにある程度の目標は設定していたことでしょう。
それに向けて順調に進められた人と、そうでない人は当然います。
順調に進められて、残り1~2週で「行ける!」と思ったのなら、攻めの姿勢で戦略を立てるのもいいでしょう。
もし直前で、自分の目標に対して「難しいな」と思える場合は多少の下方修正をするのもひとつの作戦です。
下方修正することで気楽に走れて、かえって好記録が生まれるということも少なくありません。
どちらの場合でもいろいろな想定をしてレースに挑むと、思い通りの展開でなくても対応しやすくなります。
自分の設定ペースでどれくらい走れるのか。
コレは先日(10日)に行ったペース走です。
距離は15kmに収めました。
フルに対して、当然距離は短いです。
その分負荷を高めるために3つのポイントを設定しました。
1.スタート直後のペースをあえて速く走り、疲労が速く来るようにして中盤以降の疲労の疑似体験をする。
2.その疲労を感じつつ、ペースを落ち着かせてからはスピード・フォームの安定を心がける。
3.残り3kmは無理のない範囲で切り替えて、ビルドアップを上げる。
食後2時間経過していなかったので多少身体は重かったですが、流れに乗るまでにどれくらいかかるかを把握し、そこを我慢すると楽になれるということを体感から実感できました。
またペースアップをさせながらも、余裕を感じることが出来たのが収穫でした。
そしてその2日後(12日)には、もう一度同じトレーニングをしようと考えていました。
ところが時間の関係で難しくなってしまい、距離を短くすることになりました。
その中で同程度の負荷をかけたいと思ったので、予定を変えてビルドアップ走にしました。
設定ペースは下回らないようにしつつ、体感として余裕を感じる(=いつでももう一段上げられる)ペースの中で、どこまで緩やかに上げていけるかということにポイントを置きました。
この日も入りの1kmは3分37秒と設定を大きく上回るペースで入り、意図的に負荷を高めてから、一旦設定(4分15秒以内)近くに落ち着ける。
そこからじわじわと上げて、終盤3kmは3分台にもう一度上げていくようにしました。
正直終盤は呼吸が上がってしまいましたが、「設定ペースは速くない」ということが体感できたので非常に意味のあるトレーニングになったと思います。
こういった小さな成功体験の積み重ねと、上手くいかなかったことの原因を突き止めて対策を練るという繰り返しが、色々なことが起きる本番に平常心で対応できるためのコツです。
私はメンタル、フィジカル、そしてコンディションと言った条件がすべて揃った時こそ、自分の目標を打ち破れるのではないかと考えています。
皆様も、日々の練習を「今日は走った」という満足感に浸るだけでなく、テーマを置いてちょっと振り返るということを積み重ねることでより効果を高めていただきたいと感じます。
私自身も残り1週間、スタートラインに立つための準備を整えてまいります。