まぐれのない発表会。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

 

「練習でできないことは本番ではできない。」

これは私が学生時代~卒業後数年に渡って取り組んでいた声楽(主に合唱)をやっていた時に指導していただいた先生の言葉です。

 

今は違うジャンルに力を入れていますが、この言葉に関してはどの世界でも共通ではないかと感じます。

 

練習であれば、行う時間や負荷などある程度自分でコントロールできます。

言ってみれば本番よりも「楽」な状況です。

 

本番では、自分自身の力を出せるように集中するでしょうが、想定外のことも起こります。
その中でベストパフォーマンスを発揮するには、「いつも」やってることを当たり前に出来るようにしておくことが助けになります。

 

本番に比べて楽な状況である練習で出来ないことが、厳しい本番で出来るでしょうか。

火事場のなんとか、という言葉があったり「まぐれ」ということもゼロではないですが、そのまぐれの確率を上げるのも日々の練習です。

 

強い気持ちがあれば実力を出せるかもしれませんが、どんなにメンタルが強い人であっても、それを体現するための技術・体力が伴っていなければ意味はありません。

20140823_3.jpg

日常のトレーニングにおいて、失敗してしまうことや上手くいかなかったことがあったとしても反復すれば克服できるようになるでしょう。
すぐにこなせなくても、課題を見つけられたり着実に進歩はするはずです。

 

それはランニングも同様です。

 

マラソンはまぐれが起きません。やってきたことしか出せません。

 

たとえば、野球であれば、バッターボックスでバットを振りさえすればボールにあたる確率は0ではありません。(野球を軽視しているわけではありません。)
確率の高低は別にして、振れば何かが起こる可能性はあるのです。

 

しかし、ランニングをやるときにいつも6分/kmが限界で走っている人が、「まぐれ」で3分/kmで走れるでしょうか。
それは100%あり得ません。

 

練習の積み重ね、いろいろなイメージトレーニング・作戦を練ってきた結果発表が大会なのです。

その結果発表で満足するものを出し切るためには日々のトレーニングで決めたことをしっかりやりきるということが必須です。

 

 

もちろん日常では体調が悪かったり、どこか身体に違和感があったり、どうにも気持ちが乗らなかったりということはあるでしょう。

そういう時は、練習も無理はしない方がいいです。

 

ただ「しんどい」というのが理由なのであれば、そこで踏みとどまって決めたところまでやる。

ゴールが家の玄関前だとしたら、一度はそこを駆け抜ける。

 

目標地点前で緩める癖は、知らず知らずに体に染み付いてしまいます。

その逆も然りです。

 

終盤上げる。最後まできっちり頑張る。

 

 

こういう積み重ねは、必ず本番に生きてきます。

良い癖を体にしみこませて、本番に繋げましょう。