「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
19日に行われたボクシングWBO世界スーパーフライ級のタイトルマッチ。対戦するのはランキング1位アストン・パリクテ選手と過去に3階級で世界王者になったことのある井岡一翔選手。
井岡選手は一度引退をし、復帰後の昨年末タイトルマッチで判定負け。その試合も含めて強烈な「強さ」という印象よりは上手さというイメージ。もちろん強いですし凄いことですが、井上尚弥選手のような圧倒的なインパクトを残したり、倒して勝てるかというと少し違うタイプかなと。
ディフェンス能力が非常に高く、試合後も顔が腫れていることが少ない井岡選手はお手本ともいえるような磨き上げた強さであると思っています。その上手さの故に、派手な打ち合いにはなりにくく玄人好みというか、淡々とした試合になることも。
戦前の予想では強打のパリクテ選手とテクニックの井岡選手という様相。実際に上の階級から落としてきたパリクテ選手は骨格で一回り大きな印象。下の階級から上げてきた井岡選手は身体の厚みでは上回っていましたが、サイズでは劣っていました。これがどう噛みあうか。
個人的な感想としては、序盤はややパリクテ選手優勢。時折当たるパンチは連打にはならないものの衝撃は小さくなさそうだと感じました。
中盤にさしかかり、井岡選手が返すショートカウンターが時折ヒットするなど一進一退。
中盤を過ぎ、後半に入った7ラウンド。目に見えてパリクテ選手がギアを上げてきました。前への推進力を一気に強め、連打に押し込まれる場面も。ここまで押し込まれるのは珍しい。
そこで下がるのか、打ち合うのか。井岡選手は中途半端ではなく、明確に打ち合う姿勢を見せました。その圧で押し返し、そのラウンド以降は若干打ち疲れをしたパリクテ選手を逆に押し込むように。
その後はボディを効果的に交えながらスピードで上回る井岡選手のペースに。
そして10ラウンド。
カウンターのクリーンヒットをきっかけに一気にラッシュ。パリクテ選手に反撃の手を出させずレフリーが試合を止めてTKO。
日本人初の4階級王者が誕生した瞬間。
いろいろと騒がれ、引退を経ての王者返り咲き。しかも階級を変えながら。
今回は上手さだけでなく、その強さやインパクトと言う意味でも非常に印象的な一戦になりました。
それくらい気持ちのこもった試合だったのだと思います。
この結果をうけて世界ボクシング殿堂入りもささやかれ始めました。今後は他団体の王者と戦う意向を示しています。
世界に名を残す、名チャンピオンになるべくこのような試合をまた期待したい。
おめでとうございます!
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