給水のコップ。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

今週末辺りから規模の大きな大会が増えてきます。
本命レースという方、調整の過程という方、力試ししたい方、楽しみたい方、「当たっちゃった」という方・・・いろいろあると思います。

皆様の予定はどうですか?

 

短い距離ならそうでもないですが、やはり10km以上の距離になってくると気になってくるのが『給水』ではないでしょうか。

以前、水分補給に関する記事を書きました→こちら

 

エイドを設置してある大会はほとんどですが、その内容は様々です。

水だけということもありますので、過去の情報などを探って何が置かれているのかというのを調べておく必要はあると思います。
「ある」と思っていたものがなかったときの精神的ダメージは計り知れず、それはタイムという結果で自らに降りかかってくることもあるからです。

 

さて、どんなに好みのもの、身体に適したものが準備してあったとしても取れなくては意味がありません。
給水を通るときにどのように取っていますか?

 

立ち止まって取っているという方も少なくないと思います。

 

立ち止まった場合は確実には取れますが、立ち止まるために減速してまた走り出すという余計なエネルギーを使うことになります。
これはせっかく乗ってきたリズムも壊すことになり、あなたが思っている以上に大きな負担になります。
タイムを狙う方にも、そして完走が目標という方にとっても同じことが言えます。

 

混雑していて安全上仕方ないという場合を除いて、可能であれば走りながら取れるようにしたいものです。
今回は走りながら取ることを前提に簡単なポイントを紹介したいと思います。

 

それにあたって、1点必ず注意していただきたいこと。

周りのどこに人がいるのかを気にかけ、急な進路変更はやめましょう。

 

走りながらということはスピードがついています。
周りのランナーも同様です。

エイドを見つけたから急に歩道寄りに動く、というのは衝突や転倒の危険性が増します。
本人だけでなく周りも危険ですし、言い方を少し乱暴にすると「迷惑」です。

皆それぞれの目標を持って走っているのですから、その妨害ともなりうる動きはするべきではありません。

 

安全に、そしてみんなが気持ちよく走れるように気を付ける、という前提を元にして、以下の方法を提案します。

 

 

どれが正解で不正解という答えはありませんが、自分の経験上から2点ポイントを。

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上の画像のように、横から取るパターンはコップに触れる面積が多いので安心はできます。
しかし、自分が取ろうとしているものだけでなく、周りに置いてあるコップをなぎ倒してしまう恐れもあります。

 

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個人的にはこのように、上から指を突っ込んで取るようにしています。
こうすることで、一緒に並んでいるコップに影響されることなく取ることが出来ます。

ただし狙うのがワンポイントになるため、自分が取ろうとしたコップを直前に取られると軌道修正が必要になり、多少焦ることもあるかもしれません。
狙った場所にしっかり指を突っ込めるように、練習かイメージトレーニングはしておいた方が良いと思います。

 

 

また無事に取れて安心しても、飲むときにこぼしたり、気管に入ってむせてしまっては同じくロスが大きくなります。

 

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上画像のように、そのまま口に運ぶと注ぎ口が広すぎて豪快にこぼしてしまうかもしれません。
ウェアやシューズが濡れるのを気にする方には特にお勧めできません。

 

私は下の画像のようにしています。

dsc_4653.jpg軽く潰して口にあたる面積を小さくしています。

こうすることで横からこぼれるのを抑えることが出来ますし、一気に口の中に流れ込むこともなくなります。
また鼻の中に入って苦しい思いをすることもないでしょう(笑)

 

ただしごく稀に、プラスチックのカップを使用している大会があります。
その時は潰そうとすると割れて、豪快にこぼれてしまうのでやめましょう。

 

 

ちょっとしたポイントですが、やったことがないという方は試してみてください。

 

最後にもう1点。

取った紙コップは、ゴミ箱に捨てましょう!

 

運営やボランティアの皆様は、準備してくださるだけでも大変な労力を使ってくださっています。
地域の方は、大会開催中は道路の通行制限などをされて日常生活とは違う動きを強いられています。
ランナーが気を付けることで、ゴミ拾いや清掃の手間を軽くできるのであればそうするべきだと思いませんか?
ゴミをポイ捨てするのが正しいですか?そうすることがタイムの短縮につながってますか?

 

私はエイド直後のゴミ箱に捨てきれなかった場合は、次のエイドまで持って走るか、沿道にいる運営スタッフに「コップお願いします」と手渡しします。

ゴミを散らかさないことで、皆が気持ちよく大会を終えられるようにしていけるのではないかと思っています。

 

 

少し蛇足も入りましたが・・・

またこれとは違う「自分流の給水法」があれば、あなたのアイディアを教えていただけると嬉しいです。