30kmの壁について。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

フルマラソンにおける30kmの壁についてのまとめ的な最後の記事です(現時点で。追記の可能性あり)。

 

以前の2つの記事において、「壁は自分で作ってしまっている」と書きました。

もし30kmに本当に壁があるのであれば、100kmなどのウルトラマラソンは70kmも壁で苦しまなければなりません。でもそれは起こっていません。100km走る人でも30km地点で疲れていないわけではありません。距離やスピード、レベル相応の疲労は感じているはずです。

でも走れるのは、前回の記事でお知らせした2つの点をクリアできているからと考えられます。(参考記事:30kmには壁はあるのか?②
無謀なペースで突っ込む人は少ないでしょうし、エイドなどによる補給もフルに比べれば豊富です。胃腸に不安がある方以外は、ウルトラランナーはだいたいよく食べます。私もそうです。

 

だからこそ壁を作らず走りきれるのだと考えます。

 

 

無になる

①でも話しましたが、メンタルにおける影響は非常に大きいです。メンタルというのは当然ながら思考が生みだします。その思考を生み出す脳のエネルギー消費量は、全身に対して20%ほど。なんと骨格筋とほぼ同じくらい消費するのです!

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html

引用元:厚生労働省e-ヘルスネット「ヒトの臓器・組織における安静時代謝量」

つまり考えたりするだけでロスが大きくなっていくのです。
走っている時にいかに「無」になれるか。いい意味で集中力を使わない走りを出来るかということが大事になってきます。

 

不安を抱えていたり、気合が入りすぎてタイムなどに意識をし過ぎているとそれだけでロスしていることになるのです。応援や景色に対する感動など瞬間的な喜びなどによる刺激を生かしつつ、過度に作戦などにとらわれないようにすることが壁を作らないポイントになります。

 

 

脳は初めての体験は苦手とします。たとえば、初めて行く場所に地図を見ながら歩いていくと凄く長く感じるのに、帰り道は「こんなに近かったっけ?」と感じたことはないでしょうか。あれも脳の初体験に対するブレーキの一種です。

 

初めて長時間走ると「これ以上やると危険だよ」とブレーキをかけようとします。その声を無視できるか、それとも耳を傾けるかで身体の反応が変わってきてしまうのです。当然人間は楽をしたくなります。走り続けると苦しいし痛みもあるかもしれません。やめる理由はたくさんあります。

神戸新聞2018年11月18日紙面より

やめようという思いに耳を向けるのか、やめられない理由を作るのか。

 

やめようという声に対して「30kmの壁」は都合のいい理由づけになります。
「30km過ぎたら脚が動かなくなって」なんて言うとそこまで走れた気分になりますし、壁があったからしょうがないと自分を納得させる材料になってしまうのです。もしかしたら本当にエネルギー不足になったり、アクシデントがあったりする場合もあるかもしれませんが、自分で脚を止める材料を作ってしまうのはもったいない気がしませんか?

 

私の場合は「ここまで○時間走ってきたのをたった数分楽するために無駄にするのか」と自分を叱咤します。少しでも速く走って、きついのから解放されるという方を選びます。いろんなやり方がありますが、挑戦することで次につながるものも増やせるのではないかと思います。

 

 

こんなことをやってみよう

脳が知らないことを負担に感じるのであれば、一度体験することで負担を軽減させられます。

1人ではなかなか難しいので、30kmのイベントなどを利用して一度走ってみてはいかがでしょうか。もしくはフルマラソンゴール目標時間の7割程度でもいいので長時間を走り続ける練習をします。

 

走る時間を作れない場合は、長時間歩き続ける、休まずに活動する時間をフルマラソンの想定時間に近いくらい続けてみましょう。休日にランチを食べて、買い物をしながらぶらぶらと街を歩き、帰路に着く電車も座らずよりかからず、自分の脚で立つ。このように考えると、座るまでの時間を5時間ほど取ることは可能ではないでしょうか。こういったことでも効果があります。

こうして長い時間(あるいは距離)に対する経験を経て、不安を払しょくし「ここまでなら大丈夫」という安心感を自信に変えるのです。自信が不安を打ち消してくれます。どんなに小さなことであっても、積み重ねれば大きな力になります。

 

 

30kmを走る方を選択した場合でも、一度に30kmを走るのはなかなか難しい。2日に分けて20+10kmでもいいでしょう。まとめて走らなくても、工夫をすることで同じようなコンディションを作り出して疑似的に終盤の疲労を体感してみましょう。

週末にちょっと長い時間取れそうだなと思ったら、最初の1~2kmをかなり速く走って、そのままジョグに移行して15kmほど走ってみてください。そのまま20kmを走るよりも足の重さなどを体感でき、フルの後半戦を疑似的に体験することが出来ます。

 

 

もしまとめての時間を取るのが難しい方は、1週間かけてフルマラソンの距離を想定ペースで走ってみるというのも手の1つです。

たとえば7日毎日走れる人であれば1日6km程度。それほど難しいことではなくなります。それを想定ペースにこだわって走ります。このじんわりくる疲労に打ち勝って達成できない場合は、設定ペースに無理がある可能性が高いです。見直しましょう。

 

 

そして、これらの取り組みを「30km走、フルマラソンを想定してやったんだ」と考えることが何より大事。取り組みに自信を持って、結果に繋げるのです。

 

 

「自分のスケジュールでどんな練習をしたら効果的だろう?」という方は少なくないと思います。

トレーニングの時間を週7日取れる人と週2日の人では同じメニューのわけがありません。相支走愛では、オンラインサポート(もちろん直接でも可能)でお客様ひとりひとりの目標や予定に合わせてトレーニングの提案をさせていただいております。

ちょっとした不安や質問でも構いませんので、まずはinfo@soushi-souai.comまでご連絡ください。

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