JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
昨日の記事の通り、マラソン大会のペースメーカーを務める機会をいただきました。
ところが、大会当日はGPS時計の調子が悪く、頼るものがなくなりました。(この時点でペースメーカーとして失格な気がしますが・・・)
代わりがいるわけではありません。
同じブロックを担当してくれるペースメーカーがもう一人いたので大きな助けになりました。
それでも前後に分かれて走る必要がありましたので、結局のところ自分のことは自分で責任を持つ必要が出てきます。
そこでどうあがいても仕方がないので、自分が磨いてきたものに頼りました。
それは…
「ペース感覚」
大会を含め練習においても、当然スピードなどを意識するわけですが、その時に自分の状態を感覚に細かく記憶するようにしています。
あらゆるものを情報として取り入れるように、と言っても私が気にしている点をいくつか挙げます。
1.心拍数。
心拍数と言っても、心拍計を持っているわけではないので厳密な数字はわかりません。
心拍計自体を持っていないとも言います。
しかし、その日の体調や気温、走る場所によって心拍数にはかなり違いが出てくるために購入に至っていません。(強がりではありません)
それでいて心拍数をどうやって気にしているのかというと、呼吸。
呼吸と心拍数には密な関係があります。
数値で計測できなくても、自分の鼓動がどれくらい聞こえるのか、呼吸の状態がどうなのかということを把握しながら走ることで、ある程度スピードが予想できるようになっています。
2.景色。
走るときに限らず、脳に与える情報源でかなり大きな割合を占めるのが視覚。
走るときには、目線の高低はあるかもしれませんが、前方に目を向けているはずです。
自分の目の前に広がる景色が流れていくスピードを覚えるのです。
この時のポイントは「なるべく同じ距離感を見る」ことです。
というのも、遠くに見えるものと近くに見えるものは、目の性質から速度が違って感じるからです。
高速道路などを通行していると、遠くのものは長い間視界に入るのに、近くのものはあっという間という経験をすることがあると思います。
ランニング中も程度の差こそあれ、視覚で感じるスピードに違いが出るので、同じ距離を中心に見て、その流れる速度を意識しておくことが大事になってきます。
3.体内時計。
今までの練習の中で培ってきているはずの、このペースを走るときはこれくらいという体内時計が重要になってきます。
歩幅やピッチ、上半身の角度や力の入れ具合など、ある程度走ることが生活の中に入ってきていれば、自分の感覚である程度分かってきているはずです。
その精度をとにかく高めます。
最初から5秒、10秒単位は厳しくても、30秒区切りなら感覚の違いはつかめると思います。
3つだけ挙げましたが、そのほかにも自分なりの感覚で意識している点が色々とあります。
あなたにも、自分だけの掴み方はあるはずです。
日常で行っているジョギングも単なるジョギングにしないで、そういった小さな所にも意識を向けることで質を高めていくことは可能です。
ちなみに、いずれもタイムを測ることが出来る時計があれば、その時の基準となるスピードを簡単に計測でき、それを体で覚えることが出来ます。
仮にGPS機能がなくても、川沿いや整備された大きな公園、街中のランニングコース、またはトラックなど距離表示がされている場所が増えてきていますので、そのような場所を利用してGPS時計がなくても計れるように出来ます。
毎回計ることが出来ればそれに越したことはありませんが、あなたが出来る環境で出来ることをやっていくことに意味があります。
もしかしたら大会当日に時計がうまく作動しないとか、そもそも持ってくるのを忘れるということがあるかもしれません。
そんな時にこのような備えが出来ていたら、不安は半減させられるかもしれません。
あなたも、自分による自分だけのための最高のペースメーカーを目指していくことをおススメ致します。
身体を忘れることはないのですから。