評判は結果を左右しない。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

サッカーのワールドカップ。実績や評判通りに行かないというところがその醍醐味ではありますが、今大会は特にわからなくなっています。

前回王者のドイツはグループリーグで早々に敗退、前回準優勝のアルゼンチン、EURO2016王者のポルトガルも決勝トーナメント初戦で姿を消しました。(参考記事:個と集団。)

それに続いて、前評判は高かったスペインが、開催国ロシアに敗れました。

 

 

その特徴

とにかくボールポゼッション(保持率)が高く、細かいパス回しで相手を崩していくのが特徴のスペイン。パス交換と人の連動で少しずつ相手の「ズレ」を生み出し、切り開いていくような形。この日も形としては健在でした。

対するロシアは180cm以上の選手が並ぶ、まさに山脈のような屈強なディフェンスラインを中心に、この日は2列目までが完全に引いてほぼ9人で守りから入る形。攻撃は、とにかくトップのジューバ選手にボールを当ててからカウンターに出るという形が決まっていました。

元々守備から入るチームと攻撃からリズムを作るチームの対戦。展開は概ね予想どおりでした。

 

 

予想を超える展開に

予想と違ったのは、固められたロシアのディフェンスが思いのほか堅いこと。

スペインが素晴らしいパスサッカーだと言っても、ゴール前を固められてスピードが殺されてしまったうえで、縦への動きや個の突破も少ない状況。その中ではどれだけ卓越したボールコントロールがあっても、横パスをつなぐだけでは崩せません。試合中に決めたパスの数は実に1000本以上だそうです。その成功率も90%超。これはどちらもワールドカップ記録。それでも見ている限りでは、その質はゴールへ迫るものとは感じませんでした。

ボールを持ってはいても動きはあまり見られず、完全に攻めあぐねる形。シュートもゴールを脅かすようなものはほとんど見られませんでした。

後半中盤にイニエスタ選手が入ったことで、それまでよりも多少動きが出てきましたが完全に崩すには至りませんでした。

グループリーグで敗退したドイツが韓国とやっていた時の試合に近い印象を受け、もしかしたら?という予感。

 

むしろボールをスペインにほぼ持たれた状態ながらも、いつでもカウンターの姿勢を見せつけ、回数は少なくてもディフェンス陣に危機感を与え続けたロシア。あれがあるからスペインが完全に前がかりになれない状況を作れたのでしょう。会場の雰囲気も味方につけて、ゲームを支配していたのはロシアだったようにも感じます。

 

結果としては延長でも決まらず。持ち込まれたPK戦ではGKアキンフェエフ選手が2本止める最高のパフォーマンスでロシアを勝利に導きました。

どんなに押し込まれても、相手にボールをキープされていても、最後まで自分たちに出来る最高のプレーで戦い続けたロシアに、勝利の女神がほほ笑んだというところでしょうか。

 

前評判通りにいかないというのが顕著になってきている今大会。今宵、日本も登場します。個の実力ではベルギーの相手にもならないでしょう。でもチームとなったら何が起こるかわかりません。「日本に出来る最高のプレー」で全力で戦う姿勢を見せてほしい。決して守りから入るチームではないのだから。

この流れにいい意味で乗ってくれれば、面白い試合を見られるかもしれない…という期待を抱きつつ。さて、いつ寝よう…(笑)