個と集団。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

サッカーワールドカップも決勝トーナメントに入り、いよいよ正真正銘の真剣勝負が始まりました。もちろんグループリーグも本気ではあるはずですが、「負けたら終わり」という状況がさらなるモチベーションを引き出すので、さらに熱戦が期待できます。

個人的には2試合目の時間帯が…起きておくには遅いし、目覚めるには早い。かといって録画を朝見る時間はないし…難しい(笑)

 

 

当然のことですが、ほとんどの場合代表に選出されるのは各所属チームで主戦力となっている選手が中心となります。特に実績もある国に関しては、それぞれのチームで中心となっている選手がたくさんいたりします。

個がどんなにずば抜けていても、試合を通してずっと活躍できるかというと難しい話です。そこへのパスの供給を断たれたり、あるいは複数人でマークに付かれてしまうと本来の力を発揮できないこともあります。

 

相手からすると発揮させないこと、そして味方からするとどうやって使うかというところが戦略になってくるのでしょう。

ただそのエースに頼りすぎてしまった時に、次なる手段がなかなか出てこない。

今回それで特に苦しんだのはアルゼンチンだったと思います。たぶんサッカーにそれほど興味が無くても聞いたことがあるであろうメッシという絶対的なエース。

密集しているエリアでも一瞬のスピード、キレで自分の形を作りだしますが、かといって全体的なスピードでぶっちぎるというタイプではありません。周りとの連携が大事なのですが、そこを防がれていたように見えました。

 

もう一人はポルトガルのクリスチアーノ・ロナウド。こちらも有名選手。

爆発的なゴールへの突破力と独特のタッチのドリブルで、カウンターで特に際立った破壊力を発揮するタイプ。もちろんそれ以外でも凄いですが。

この日はウルグアイの堅守に手を焼きました。元々堅守速攻型のウルグアイが守りに集中したときの堅さは相当なものでした。本来力を発揮するエリアで効果的にボールをもらえず、サイドに流れたり少し下がってもらう展開が目立ちました。ゴールからある程度離してしまえば、もし抜かれてもしっかり構えた最終ラインが後ろに備えているので、いくらロナウドといってもその攻撃力を十分に発揮することは難しくなります。

 

その2人がいるアルゼンチン、ポルトガルが決勝トーナメントの初戦で相次いで敗退。

攻め手がエースだけというわけではありませんが、その依存度が高かったのは事実。彼らの出来がどうこうということより、核になるメッシ、ロナウドを使わせない相手の戦略が上を行っていたのではないでしょうか。

 

もちろんそういう戦略の上をいって活躍をするのがエースではありますが、全試合でそのような動きが出来るわけではありません。特にクラブチームと違って十分に熟成させる時間がない代表戦では、形を作り上げるのには時間がかかります。

チームとして元々やってきた得意なサッカーが機能したフランス、ウルグアイがそれぞれ上回った形でしょう。

 

もちろん勝ったフランス、ウルグアイはそれぞれ実績だけでなく十分な強さを持っているチーム。

フランスも大きな核を各ポジションにいくつか持っていますが、依存というよりそれぞれがうまく融合しているイメージ。前回大会やユーロの軸となっていた選手の経験と若手が絡んでいます。ウルグアイも守備の堅さと速攻に出たときのカバーニ、スアレスのコンビは超強力。

 

集団として機能した方に今回は勝利が舞い込みました。

残りでも、戦略のぶつかり合いがみられるでしょう。相手の対策を上回る活躍をどのように見せられるか。まだまだ眠れない日々が続きそうです。