今テスト?

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

サッカーの世界大会の中で最高峰とされるワールドカップがもうすぐ開幕を迎えます。4年に1度のW杯は、各地域毎に1~2年という長期間にわたって行われる予選を勝ち抜いたチームだけがピッチに立つことを許されます。

地域によっては、世界トップクラスの実力を持っているチームであっても予選敗退をしてしまうこともあるほど厳しい戦いが繰り広げられるため、本選に出ることはサッカー選手として大きな目標のひとつであることは疑いがありません。

その舞台で結果を残すため代表チームとして各国は短くても4年間、年代の異なるカテゴリーも含めると10年以上の単位で育成を進めて、強化を進めていくのです。

 

ところが日本代表はその本選直前、予選が全て終了した後に不可解な監督の解任。たったの2か月間で、しかも実戦がほとんど残っていない中でチームを作り直すという選択をしました。4年間でも完成しないのに、こんな短期間で挑もうとするのは甘く見ている気がしてなりません。

短期間で、何を変えられると考えたのでしょうか。

 

私はサッカーに関しては好きですが素人です。あくまで素人目線ですが、日本サッカー協会は感覚が麻痺してしまっているのではないかと感じます。98年フランス大会から日本代表が6大会連続で出場出来ていることで、慢心があるのではないでしょうか。まだ世界の舞台では大きな実績を残せていないにもかかわらず、W杯に出られることに価値を見出していないのではないかとさえ感じます。

競技の特色として選手生命が決して長くはないため、ピークで大会をむかえられない選手もいるのです。そんな選手たちの夢を、よくわからない理由でぶちこわしてしまうような行動には疑問しかありません。

 

 

テストマッチ?

明日大会への登録メンバーが発表予定になっていますので、そこへ向けて最後のアピールの場となるキリンチャレンジカップ、ガーナ戦が行われました。

 

対戦相手のガーナは実力のある国。特に2000年代に入ってから実績を重ねてきており、個で見ても各国トップリーグで主力を担う選手が多くいますが、今回来日したメンバーは主力ではありませんでした。さらにモチベーションと言う意味でも、ガーナはそれほど高くはなかったでしょう。いくら強い選手がいてもW杯本選が直前にあるのか出場できないのかというのは決定的な気持ちの違いがあったはず。

そういう意味で日本代表候補の選手たちにとっては、絶好のアピールの場となる可能性がありました。

 

結果としては0-2で敗戦。失点の場面ではスピード感あふれるカウンターに崩され、ペナルティエリア周辺で相手にセットプレーを与えてしまい、失点に繋がりました。相手がフィジカルに長けていることは前もってわかっていたので、その対策が不足していた気がします。

 

攻撃面では、短期間での合宿しか行っていない割にはチャンスを作れたように思えます。ただ展開がパターン化していて、中央突破や強引なシュートがなくサイドのスペースから単調で精度がそれほど高くないクロスを上げるばかりだったので、相手からするとそれほど焦らずに対応出来ていたように見えました。サイドを攻めるにしてももう少し切り込むか崩すような展開が欲しかった。

おそらく本選ではあんなにボールを持たせてもらえないでしょう。さらにチャンスは少なくなることが予想されるので、決定機にきっちり仕事をすることが求められる展開になるでしょう。

 

「ポジション争いが繰り広げられています」という内容の実況がありましたが、この時期にそんなことを言っていては間違いなく厳しい。

個の力で打開できる選手は残念ながら日本にはいません。それは世界レベルに限らずアジアの中で見ても、絶対的な存在はまだいません。

そこを補う組織力や集団の力で戦えるのが日本の良いところだったのですが、さすがに直前に監督が変わってしまってはその組織力を構築する時間がありません。たとえ世界有数の名将が就任してくれたとしても、結果を出すのは難しいでしょう。

 

仮に結果を出せたとしてもあくまで一過性のものであり、それが今後の日本のサッカー界の発展に繋がるかというと疑問ではあります。ここまでの継続や蓄積が途切れてしまったような形になってしまったため、結果の如何にかかわらず、今後に繋げるのが難しくなってしまった感が否めません。

 

とはいえ、選手が精一杯プレーをすることは期待したい。そうなる舞台を周囲は整えてあげてほしい。実戦をやっている選手、スタッフが力を発揮できる状態を作るのが周囲の役目じゃないでしょうか。

 

明日、発表される代表メンバー。順調に来ていたとしても、誰もが納得できる人選は絶対に不可能です。ましてや今回のような解任劇があったあとであればなおさらです。どんな選考をしても色々と意見が出ることでしょう。

厳しい環境にはなると思いますが、選んだ監督、選ばれた選手がそれぞれの仕事を果たし、ベストのパフォーマンスを見せてくれることを期待します。