フルマラソンの目標設定。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

昨日の記事でも告知した通り、明日は加古川30Kにおいてペースメーカーを務めます。

この30kmの大会に出場される方、あるいは参加を検討するランナーの多くはフルマラソンを見据えていることと思います。

 

そのフルマラソンですが、闇雲に走る人は少数ではないでしょうか。

中には初出場で勝手がわからず「とにかく行けるところまで走ってみよう」と挑む方もいると思いますが、最後まで持つ方はごくごく少数で苦しむ姿を良く目にします。

 

ほとんどのランナーはある程度目標や最低ラインなどを設定して、ペースを決めることと思います。

こちらの表は、イーブンペースで走りきった場合の5km毎のスプリットタイムとゴール予想時間をまとめたものです。

とはいっても、全く同じペースで走り続けるのはかなり難易度が高く、実際はそれ以上の走力がある人でないと達成は難しくなります。

 

 

以前はフルマラソンで走ることのできる目標タイムの目安の計算方法として、ハーフマラソンのタイムの「2倍+15~20分程度」という説もありました。

もちろんランナーのレベルや距離への耐性などタイプによって色々と違ってきますので、これはかなりアバウトな計算方法ではあります。

 

 

どんな方法があるの?

今では「持久係数」というものを用いた手法のほか、ランニング・フォーミュラで有名なジャック・ダニエルズの表による計算、リーゲル式と様々な計算方法があります。

ほぼ近似値に出るようななかなか興味深いものもありますので、一度試されてみてはどうでしょうか。

 

興味本位でやってみると楽しいですよ。

ただし、これらもあくまで机上の空論であって、色々な要素が絡むフルマラソンですから目安としてください。
数値以上の記録を出すことが出来る人も中にはいます。

 

 

 

ペースの考え方

あなたがもしハーフマラソンを2時間で走りきるのが精一杯だとします。今のままフルマラソンを走って4時間を切れるでしょうか。

おそらく100人中99人は不可能でしょう。

 

先ほども少し書きましたが、色々なタイプこそあれ「狙って」完全なイーブンで押し切れる人は、それ以上の走力があると言うことが出来ます。

 

たとえばハーフマラソンを1時間50分(Ave.5分12秒/km)で走りきれる人がいたとします。

単純に2倍をしてフルで4時間(Ave.5分41秒/km)を狙えるくらいの走力があるかもしれません。

 

そのランナーがフルマラソンに挑むときに、5分12秒ペースで走ってしまっては失速は目に見えています。

倍以上の時間がかかるリスクのみ高まり、サブ4(4時間以内にゴールすること)も危うくなるかもしれません。

 

 

まず忘れてはいけないことはスタートの混雑。
よっぽど前の方からスタートできるレベル(または部門)でない限り、スタート後の混雑は避けられません。

この混雑を逆に利用してしまうのです。

 

ペースを上げられない状況を「意識的に上げてないんだ」と考えて落ち着いて入ります。

5kmもすればある程度ばらけてきますし、そのくらいには身体も温まってきているでしょう。

 

そこまでは自分の調子の確認も含めて、ゴールを均等に割ったペースか少し遅いくらいのペースでじわじわと。

無理に上げることなく、抜きたい人には抜かせましょう。

きっと後半で抜けます。

 

それくらいの心の余裕を持っておくことがリラックスのコツです。

 

中盤~終盤にかけては設定ペースを少し上回るくらいで行きましょう。

そして30~35kmにピークの山が来るような「意識」で(実際にピークは来なくても良い)走れば大きな失速をすることなく走ることが出来る可能性が高まります。

 

逆に目標ペースにとらわれすぎて、「あと○秒上げないと」と最初から力を使ってしまっては、後半に力尽きてしまう恐れがあります。

 

このあたりは自らのレースプランニングもありますし、周囲の状況を見て冷静に判断できるかが関係してきます。

 

 

入りから突っ込んでとにかく粘るスタイルの方がいいという人もいるかもしれませんし、後半まくる追い込み型が大好きという方もいるでしょう。

ちなみに私は後者です。

 

どちらにも言えることは、無理をしないで諦めない。

頑張ると無理をするは違います。

 

いうのは簡単ですけどね(^_^;)

 

 

どこからが「無理」なのかを見定めるためにも、トレーニングの内容を見直すことは重要になってきます。

3kmよりも5km、5kmよりも10km、ハーフ、30kmと距離が伸びれば伸びるほど、その目標設定への誤差も少なくなってきますし、走りきるための体力も備わってきます。

 

明日はそのような志を抱くランナーの手助けが出来たらと思います。

 

頑張ってきます!

 

 

 

実際にあなたに合ったプランやペース設定は、本を読んだりするだけではわかりません。

やはり実際に見たりお話を伺うことが必要になってきます。

もしこのような点に関心がありましたら、お問い合わせいただければと思います。

 

伸び悩む、あるいは不安を抱えるあなたの力になれたら嬉しいです。