「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
ランニングやサイクリングなど持久系の種目においては特に「効率よく」動けるかは大きな要素となります。
そのため効率向上のために理想のフォームなどを扱った書籍やHPが多く見受けられます。私も最初はいろいろと読みました。
その意識は素晴らしいですし、ぜひとも大事にしてほしいです。ただ注意をしなくてはならないことがあります。それは正しいと紹介されている方法を再現しようとした場合に、人によっては逆効果になることがあるということ。それは本来の「要素」に目がいかず、見た目だけを真似している場合に多く起こります。
写真や動画があれば、その動きを参考にしようとするのは当然です。きっと同じ動きを目指すでしょう。この時、もし画像や動画の人とあなたが同じ身体を持っていれば、見た目を真似すれば自然とその要素の再現もできるはずです。しかし、そんなことはあり得ません。一卵性双生児だとしても身体に違いは必ずあるからです。
動きを真似するのではなく、何のためにその動きをするのかということを理解したうえで、どうやったらその動きを出来るか訓練する。これを繰り返すことで目指すフォームを身につけられる。
このことは常に頭に入れておいてほしいと思います。
技術と感覚を磨く
ランニングにおいて腕振りを!とか脚を上げる!とか聞いたことがあると思います。それが目的になっていませんか?
確かに効率よく動けている人は、そのようなフォームに見えます。しかし、速く・長く・楽に走るためには、そういったものは手段であって目的ではないはずです(目的が異なる場合にはそれが正解の場合もあるかも)。
ちょっと話は変わりますが野球のバッティング。野球を遊びでもしたことがある方なら、バットの「芯」に当たったら感触が軽いのに遠くまで飛ぶというのを経験したことがあるかもしれません。
逆に当たり所が悪いと、手に大きな衝撃がきて痺れてしまいますしボールが遠くに飛びません。俗にいう詰まるという状態ですね。
野球を続けていく中では、狙っている方向へ狙い打ったり遠くへ飛ばすスキルを高めるために、いかに「芯」でとらえるかというトレーニングを繰り返します。(ピッチャーは逆にその芯からいかにズラすかということで、手元で曲がる変化球や球質、タイミングを外す技術などを磨いていきます)
ちょっとバットでは想像ができないという方。
どんなに苦手でも料理の一度くらいはしたことがあるでしょう。包丁で半分に切ったたまねぎを切るときを想像してください。
まな板に対して垂直に切る場合と角度を付けて切る場合では、必要な力が変わります。切れ味も変わってきます。
しかし、包丁を使うにしても狙った方向や幅に切るためには初めてよりも経験を積んだ人の方が上手なのは当たり前のこと。
うまく切るためのトレーニングの成果ですよね。
こういった「技術」なら努力して高めていくというのは納得できるでしょう。あなたも必要を感じたら練習を繰り返すのではないでしょうか。
では、走ることや歩くことはどうでしょうか。
基本動作は教わらなくてもそれなりに動けてしまいます。身体に不調な場所があるということがない限り、教わってないから歩けないという人はいないはずです。
でもこうして突き詰めていくと、普段やっている動作とは違う要素を求められることが多くあります。なぜなら人の身体は自然と楽をしようとするからです。悪く言うと手を抜くから。
手を抜く動きと目指す動きには隔たりがあるはずですから、その差を埋めるためには技術を磨くトレーニングが必要なのです。
モデルなど魅せる仕事の経験があれば、ウォーキングのレッスンなど受けたと思いますが日常生活で受けている人は多くないでしょう。
走るときも同様。普段何も考えずに出来ることだからこそ、より理想を抱いて技術を磨く必要があるのです。技術、高めてみませんか?
その際に、どういったことに注意をしていく必要があるのかなどについて、何度かに分けて書いていきます。
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