スポーツマンシップ。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

お正月の風物詩ともいえる駅伝。

 

元日のニューイヤー駅伝に続いて、2・3日には箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)が行われます。

私の出身校(当時は陸上とは無関係でしたが)も予選会を勝ち抜け、本選に出場できていたのでいつもより熱を入れて食い入るように観ていました。

出雲、全日本大学駅伝と大学三大駅伝と言われるうちの2冠を達成して、「絶対王者」とさえ言われる青山学院大学。

優勝争いの中心という展開には変わりはないですが、今年はここ数年とは違ってかなりの混戦になり復路も楽しみながら見ることが出来そうです。

 

どこが優勝しても一生懸命に走る姿を見られれば楽しめるのですが、出来ることなら最後までハラハラする展開を期待してしまう一視聴者です。

 

 

そんな混戦の中で、今日一番印象的だったのは4区のある場面。

今回から前回までと距離が変わった4区には力のある選手を配置する大学もありました。

 

そのひとつが駒澤大学。

ところがその期待を背負ったエース中谷選手が序盤から本調子には程遠い苦しい走りとなってしまっていました。

 

そんな苦しむ中谷選手を見て、創価大学のセルナルド祐慈選手が抜きざまに背中をポンとたたいたのです。

彼がどういう目的でこういう行動を取ったのかは想像でしかありませんが、少なくとも映像を見ている範囲では苦しむ中谷選手に檄を飛ばしたように見えました。

実際に、その直後の中谷選手は一時的ではあっても前を積極的に追うような動きをしていましたし、それに呼応するように2人で肩を並べるような場面もありました。

 

 

同じ4年生で、長距離をやっていれば記録会や他の大会で顔を合わせたことはあるでしょう。

彼らの交流がどれほどなのかは知る由もありませんが、どんなに親しいとしても順位を争う他校の選手は極端な言い方をすると「敵」とさえいえるわけです。

 

そんな相手に塩を送るとも思えるような行動を堂々と出来る姿勢。

素晴らしいなと感じました。

(もしかしたら、全く違う意味があって勘違いなのかもしれませんが・・・)

 

 

場面こそ全く違ってきますが、自分が大会に参加していたり応援などをしている時に、突然体調を崩したり、転倒したランナーを見かけたときにそのような行動を取ることが出来るか。

助けあうことが出来るのか。

 

スポーツマンシップというものを、改めて感じた印象的なシーンでした。

記録を狙うアスリートであっても、楽しむことが中心の市民ランナーであってもスポーツマンなのです。

少なくとも周りから見れば「走る人」という目で見られます。

 

向き合っているのがライバルであれ、自分自身であれ、「自分が良ければ良い」というような狭い視野ではなく、周りにも目を向け意識を向け、行動できるようになりたいと強く感じました。

 

明日もどんな展開になるのか楽しみです。