笑顔の力。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

ゴルフの全英女子オープンで渋野日向子選手が優勝を果たしました!

優勝を決めた18番のパットが入った瞬間

渋野選手は2018年にプロ転向をしてまだ2年目。「黄金世代」と呼ばれている1998年度生まれの選手たちの中でも表舞台に出てきたのは比較的遅めではありますが、今年に入りツアー2勝をして今回メジャー制覇。一気にその代表格まで上がってきたように思います。

 

正直、私も名前と顔が一致するという程度でしたが、今回中継を見ていて純粋に「応援したい」という気持ちにさせられる選手だなと感じました。

もっとも印象的なのが、笑顔の多さ。

 

もちろんショットの瞬間などは集中した表情になりますが、移動の時にはギャラリーとハイタッチをしたり、キャディー(コーチでもある)ともにこやかにコミュニケーションを取っていたり、時折お菓子を口にしながらはにかむ姿も。

 

とにかくプレーを楽しんでいるように見えます。もし楽しんでいるように「見せている」としても、それでメンタルの安定が図れるのであれば作戦勝ちです。

 

 

プロである以上、周りから見られる存在になります。いつも表情を変えないポーカーフェイスの選手も玄人好みで良いですが、笑顔を見せる選手はパッと見た瞬間の印象が違います。
どちらが応援したくなりますか?

 

実際に異国の地にもかかわらずギャラリーはスタンディングオベーションでしたし、その表情も笑顔が多かった印象。
最終組で一緒に回っていたブハイ選手、マナーということもあるのでしょうけれど、渋野選手が優勝を決めたパットが入った瞬間に両手を上げて、拍手をしてその偉業をたたえる姿。自身のパットはまだ残っていてラウンド途中でしたが、その姿には見ていて何だか嬉しくなりました。

左からブハイ選手、渋野選手のキャディー、渋野選手

 

プロの選手に対して、時折「へらへらするな」とか批判をする人がいますが、笑顔には周りを元気にするだけでなく、リラックスにも繋がり、自分のパフォーマンスを上げるためにも効果的な手段の1つ。緊張する状況で笑えるのもスキルだと思います。

笑うのと真剣さがないというのはイコールではありません。真面目そうな表情をしていても真剣じゃないというのはわかるものです。その逆は伝わりにくいですが。

  

渋野選手はプレー中に声をかけた子どもにグラブをプレゼントしたり、最終日の最終ホールに移動しているとき(だったと思う)にギャラリーにいた子どもの頭にポンポンと手を載せて声をかける様子も見せました。

インタビューでも「楽しいと思ってもらえるプレーをしたい」と話していますが、喜ばせたいという気持ちを強く持っている選手なんだと思います。

 

気持ちの強さ

またメンタル面での強さも発揮。

 

3日目には一時首位と6打差まで拡がりましたが、後半の9ホールで6つスコアを伸ばし順位をひっくり返し、2位と2打差の首位で最終日を迎えました。
最終日も序盤でスコアを落とし3位まで後退するも、後半で圧巻の5バーディ。最終ホールのパットも距離はありましたが、強気のパットで沈めてプレーオフに回すことなく勝利をおさめました。

 

本人が「追う立場の方がやりやすい」と話しているように負けん気もある。落ちかけても諦めず自分らしく攻める姿勢を感じました。「強気」というのは簡単ですが、実際に強気な印象を与えるのは簡単ではないはず。
少なくとも私は特に12番のティーショット、18番のパットにはそれを感じました。

 

ダブルボギーをたたいた時の、自分のミスを笑い飛ばせるほどの切り替えの早さ。

 

さらには「最後のパットを沈めたらどんなポーズをしよう」と考えていたらしいですが、失敗したらどうしようという思考ではなく、成功することしか考えない。このプラス思考も選手にとっては非常に重要です。

 

 

私たちもやっている種目やレベルは違っても、こういう思考の方法もあると試してみる価値はあります。後ろ向きになりがちな思考を、楽しみながら前向きに出来たら競技も楽しめるかもしれませんし、パフォーマンスも向上するかもしれません。

 

 

快挙を成し遂げたヒロインに対して、マスコミは過度に追いかけずに「普通」のパフォーマンスを発揮できる環境を作ってあげてほしいと思います。今の日本のメディアには難しそうですが…

 

ともあれ、おめでとうございます!

起きててよかった!

 

…しかし、結果を見届けた後テレビをつけたまま眠ってしまい、朝怒られたのはここだけの秘密(笑)