1時間台への挑戦。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

あらゆる分野でひとつの指標となるのが「数字」。数字は勝敗よりも絶対的なものですので、その数字へのこだわりは少なからずあると思います。

特に競う種目に関しては、勝つことと同時に記録を出すということが重要な要素の1つとなります。 

 

その記録と言う面で、大台の数字がひとつ変わると「壁」のように感じて難しく感じることもしばしば。
たとえばフルマラソンにおける4時間台→3時間台とか、1km5分台→4分台とか。実質ほんの数秒の違いだとしても、大きなものとして捉えがちです。

 

 

その壁のことをメンタルブロックと表現することがあります。ある一定のレベルを超えると記録を向上させることは物理的にも難易度は上がるのですが、その足かせとなるのが精神的な面。「ここが難しい」と感じていることありませんか?

 

 
特に最近そのメンタルブロックの影響を感じるのは、盛り上がっている男子陸上の100m。追い風参考も含めると現役選手ではケンブリッジ飛鳥選手、多田選手、公認記録で初めて9秒台を出した桐生選手、そして現日本記録保持者のサニブラウン選手の4名。
身近なところで1名壁を越えたことが大きな刺激になり、相乗効果になったと考えることが出来るかもしれません。

 

 

マラソンの壁を

種目は違いますが、フルマラソンにおけるメンタルブロックに大きく影響するかもしれないひとつの企画が発表されました。

それは、今年の10月12日に行われるオーストリアでのフルマラソン1時間台への挑戦!(Ineos 1:59 ChallengeのHPはこちら→https://www.ineos159challenge.com/?fbclid=IwAR0AvU5Jphp75iLVFurkuqt9gzrFiTy2J4VcFmGv3gfYaR79sD_ZnH3p5w0

 

挑戦するのはキプチョゲ選手。

 

彼は2017年の5月にNIKE社の企画「ブレーキング2」でタデッセ、デシサ両選手と3名で挑戦したときは2時間0分25秒でした。(参考記事:壁の向こう側へ。)

 

その後の2018年のベルリンマラソンにて自己記録を更新し、2時間1分39秒という世界新記録を樹立。この時、従来の記録を一気に1分18秒も更新しました。(ちなみに日本記録は大迫選手の2時間5分50秒)

この次元に来ると、1秒の重みは私たちの想像に及ばないほど大きくなるはずです。そんな中での大幅更新。まだ先を感じさせます。

 


3時間をきり2時間台に突入することが市民ランナーにとって「サブスリー」という大きな目標であり、ひとつの称号ともいえるほど貴重なものです。

市民ランナーと比較するのは違いますが、それより1時間も短縮しようとするその数字の凄さはまさに未知数。

 

 

ですが、先に挙げた今の数字だけ見ると可能性は感じられます。見たことがない数字(当たり前)なので、どうなんでしょうか。難しさはわかりますが、その難しさのレベルが高すぎて十分に理解できません(^_^;)

 

今回はブレーキング2とはレースに対するサポート面も異なるでしょうし、何より当日の気候の条件はその時にならないとわかりません。

 

でも誰も見たことのない境地へ。1時間台、見てみたい。

もしこれで達成したら、「1時間台は可能だ」と大きなメンタルブロックが取り除かれる…可能性もゼロとはいいきれません。

 

現段階でキプチョゲ選手と競い合っている選手が、「俺も行ける!」という意識に変わったら…
もしかしたら1時間台での優勝争いなんて見られる時代も来るかもしれない。見る側からすると楽しみなチャレンジになりそうです。