速さと強さ。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。 

 

昨日の記事の中でメンタルブロックの例として少し触れていた陸上男子の100m。(参考記事:1時間台への挑戦。)
大きな注目を浴びる中、日本選手権の決勝が本日行われました。

 

今大会にエントリーをしている過去にタイムを出した実力者は順当に残りました。

スタートが得意な多田選手や室内60mの日本記録保持者川上選手。中盤での加速がうまい桐生選手。距離の適性も含めて後半に伸びてきそうなのが小池選手、飯塚選手、ケンブリッジ選手、そしてサニブラウン選手。そこに一気に自己記録を伸ばしてきている坂井選手。
誰が一番力を発揮できる展開になるのか。自分で流れを打破できる強さを持っているのか。たった10秒の勝負!

 

 

結果はサニブラウン選手の完勝と言っても良い内容。

体格を生かしたダイナミックな動きから、後半に後続を一気に突き放して10秒02の大会新記録を出しました。2位の桐生選手は10秒16、3位小池選手は10秒19。タイムの出にくいコンディションだったのか、それとも周りが硬くなってしまったのか。
これは実際に走った選手にしかわからないことではありますが、持ちタイムなどを考慮すると記録的には少し物足りない印象もありました。

 

 

概ね予選、準決勝、決勝とタイムが上がってくるのが短距離の傾向。それだけ集中力やエネルギーを凝縮させていくと思うのですが、準決勝よりタイムを落とす選手が多かった中、タイムを上げて大会新記録を出した分、その強さが際立ちます。

短距離大国で日々揉まれているという環境も関係しているのか、速さもさることながら、勝負強さも確実に増しているなと感じました。

 

たった1レースではありますが、現状では一歩も二歩も前に進んでいる印象を与えたサニブラウン選手。

それを肌で感じた周囲の選手がどう巻き返してくるか。この流れが重なり合った時に、さらに大きなものになって全体を押し上げてくる…という理想通りには簡単にいかないとは思いますが、今後に期待。