その勢いは加速する。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

本来だったらオリンピックの会場になっていた新国立競技場で行われた「セイコーゴールデングランプリ陸上2020東京」が、本日行われました。

主にトラック短距離とフィールド競技が中心。無観客で限定的であってもこういう場を作り出したんだと思うと、見ているだけですが普段とは違う思いが生まれてきました。

以前は当たり前に感じていた風景。当たり前が当たり前じゃないって今は感じられる。もし元に戻ってもこの感覚は失わないようにしたい。

 

またしても更新

そんな中ですごい記録が。
7月のホクレンディスタンスでは3000mで日本記録を更新をした田中希実選手が1500mで4分5秒27の日本新記録を出しました(参考記事:いよいよ本物)!

従来の小林祐梨子さんの記録を14年ぶりに約2秒更新。タイムも素晴らしいですが、勝ち方も凄い。レース展開も序盤から先頭で引っ張り、じわじわ上げてラスト1周でさらにスパート。まさに力でねじ伏せたという感じの完勝。展開が違ったら、もう一段上の記録が出たかも…と考えてしまうほど力の違いを見せつけた勝ち方でした。

 

ちなみに田中選手も先日のルール変更により、本来履くつもりだったシューズが使えなくなっていました(参考記事:そりゃないよ)。急遽スパイクに切り替えて、自己記録というのは地力の凄さでしょうか。

まだ若いですし最近の他の種目での記録の推移を考えても、まだまだ何かしてくれるんじゃないかと期待をさせてくれます。

 

 

中継ではマスコミが扱いやすい100m男子に(いつも通りに)フォーカスしていましたが、他種目でも好記録は出ています。日本記録更新には及びませんでしたが、女子100mHでの寺田明日香選手も13秒03の好記録。男子800mでもPBを出した選手が多数出るなど、種目によっては記録が伸びていました。こういうところを扱わないと、人気にも繋がらない。
すでに盛り上がっているところに便乗するのではなく、人気を一緒に作っていくというという報道が見られたらといつも思います(仕事だから難しいのかもしれないけど)。

 

 

競技場の特性もあるかもしれませんが、この難しい状況でも(だからこそ?)しっかりと質の高いトレーニングをこなし、結果を出していくアスリートの凄さを垣間見ました。

 

この非常時でも先の目標、なりたい自分の姿を描き、努力をし続けたからこその結果。そのメンタルや考え方は是非とも取り入れたいところです。

 

 

フィジカル面でもトップで戦う短距離選手のコンディショニングや体調管理という面では実際に知らない点が多いですが、普段とは違う状況で記録を出したノウハウは今後に繋がっていくデータに違いありません。今後に生かして、陸上全体で発展してほしい。

 

また今大会では「ドリームレーン」ということで全国からSNSなどで公募をされた高校生が、日本代表クラスの選手の中で一緒に競技をしていました。その場でなければ感じられない緊張感や選手の動きなどいい経験になったのではないでしょうか。
今後、この中から同じように高校生を迎え撃つ立場になる選手が生まれてくれることにも期待。

 

これから

制限がされる中ではありますが、やはりぶつける場があるというのは選手として非常にありがたく、そして気持ちや身体を作る大きな目標になります。

 

「陸上競技」とは少し違いますが、私たち市民ランナーが参加することができるマラソン大会は年明けの勝田、丸亀ハーフ、青梅、北九州、愛媛、熊本城、京都、姫路など距離・規模の大小を問わず続々と中止が決まっています。中にはオンラインでの企画などを立ててその火を消すまいという動きは見られますが、影響は必至です。

 

大きな目標となる大会が出来る見通しの立たない状況。モチベーションを保つのが難しく感じるランナーがいることも確かです。

 

  

「自分は何のために走っているのだろう?」

 

日々の取り組みや今後の目標を立てていく中で、一度立ち止まって考えてみるのも良いのかもしれません。
そこが見えていれば、取り組みも変わってきますし気持ちが切れることもないはずですから。