腐らず、信じる。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛の野見山健治です。

 

 

何度か記事の題材としても扱っているので、長く読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、私は相撲が好きです。

一瞬の立ち合いの中で繰り広げられる駆け引き、閃き、力比べ。

瞬きをする間もないものから、力と技の応酬となる長い相撲まで、形が読めない展開が非常に面白いと感じたことがきっかけです。

 

身体のことに興味を持ってからは、そういった取り口以外に「おっ、この力士重心の位置が変わったな」とか、何目線か良くわからない目線で楽しんでいます。

 

 

 

初場所で快挙

さて2018年の初場所。

まだ千秋楽を残してはいますが、平幕の栃ノ心関が優勝争いトップの中勝てば幕内最高優勝という大一番に臨みました。

相手は初土俵が同じ場所で同期となる松鳳山。そういう巡りあわせも面白いですね。

 

その一番を力強く制して、見事初優勝を果たしました!

(明日、実際に賜杯を抱くときはどんな表情でしょうか。)

平幕優勝と言えど、横綱や三役力士と総当たりをする番付での優勝は非常に価値があります。

しかも力強く圧倒した取り組みが多く、本当に素晴らしかったです。

 

 

 

栃ノ心関は私の好きな関取の一人です。基本として真っ向から向かっていく取り口。

もちろん変化は戦法の1つとしては有効ですし良いのでしょうけれど、それに頼らずぶつかっていく姿勢の方が個人的に好きだからです。

海外勢の力士にありがちな「足下のもろさ」がなく、そのしっかりした土台からの正攻法の四つ相撲。組み止めて左上手を取ったときのその力の凄さは、見ているこちらも力が入ります。

 

身体のバランスや筋肉のつき方からしても、昔ながらの力士らしい体型というイメージですし、受け答えを聞いていても良い力士なんだろうなという印象です。

 

 

2013年には右ひざの靱帯断裂という大怪我を負い、三役経験者にもかかわらず幕下まで番付を下げました。今日のインタビューでも少し触れられていましたが、「やめようと」思っていたそうです。

それでも再起する道を選び、幕下、十両で連続優勝を飾り再入幕を果たし、さらには関脇まで舞い戻ってきた努力の人…というと安っぽくなるほどの努力の人だと思っています。

 

昨年末に生まれてまだ会えていないという娘さんに早く報告できるといいなとおもいます。

 

本当におめでとうございます!

 

 

 

腐らず、信じる。

種目は違いますが、私自身も順調に成長を感じている時に限って怪我をしてきた時期がありました。それも何度となく。

 

「なんでいつもこういうときに…」

 

その度にそう考えました。

栃ノ心関も上位に跳ね返されつつも三役で経験を重ねていた時期にはそう感じたかもしれません。

 

逃げたくなることもあるでしょう。目をそらしたくなることもあるでしょう。

 

でも、今直面しているのが事実であるということを悔しいながらも飲みこみ、思考を切り替え、次の行動に向けられることがさらなる飛躍のきっかけになり得るのです。

腐っていて回復して強くなるなら私も腐ります。

 

でも、そうはいきません。いくはずもありません。

 

であれば、今出来ることを改めて見出し、これからの目標に向けて新たな道筋を作っていくことこそが理想に近づく術だと思いませんか。

 

実際に、私は故障したからこそ「今出来ることは何か?」と模索しながら取り組むことで、やっていなかったことに取り組み、結果として強みが増えてきました。

順風満帆にいつでも思い通りに成長曲線を描ける人は、そうはいないでしょう。

 

しかし、ともすると壁に跳ね返され「力が落ちるのでは…」と不安になる出来事を、逆に上向きにするためのバネにすることは可能なのです。

 

 

私は今回の優勝を見て、改めてそう感じました。

 

感じるのは自由ですから。

あなたももし少しでも「上手くいかないな」とか壁にぶつかったと感じたなら、少し考える目線を変えてみると、逆に飛躍のきっかけになるかもしれませんよ。