トイレを制する者は・・・。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

今日も大田原や福知山など、各地でフルマラソンが開催されましたね。

全国的に一気に冷え込みが強くなるだけでなく、風も吹き荒れるコンディションだったようで、かなり走るのに苦労された方が多く見受けられました。

 

走られた方はもちろん、応援や運営の皆様も本当にお疲れさまでした。

 

 

さて、ちょっと似たような内容が続いていますが、やはり元気な体があってのランライフですのでもっと知ってもらいたいと思い今日も書きます。

 

いきなりフルマラソン参戦する人よりも、走り始めて、5km・・・10km・・・と段階を踏んで、満を持してフルに挑戦!という方の方がどちらかというと多いと思います。

そのように距離を延ばしていく中で、自信を持てることが増えてくる一方で、自分の課題や弱点が見えてきたり、「こうしてみよう」というような試みが出来てきたりするのではないでしょうか。

 

長時間のスポーツは、本人の意識などメンタル面も大きく影響をしてきます。

 

積み重ねた自信は力となって背中を押してくれます。

逆に不安要素を消すことが出来なければ、少なからずそこへ意識が向かってしまいます。

自信を持っていて、不安のない状態が100%良いというわけではありませんが、気持ちよく走るためにはその状態に近い方が楽に取り組めると考えています。
たとえば、「もしかしたら脚が攣るかもしれない」と思っている人と、何も心配事がない人であればどちらが精神的に楽な状態で走れるかということに関して言うと、恐らく後者の方がストレスを感じていないと思われます。

 

大事なのは、いかにその心配の芽を育てずに早い段階で刈り取るか。

これが楽な精神状態で挑むためのカギと言えます。

 

走力に関わらず、本番当日にランナーが悩まされることの多いのが「トイレ」と「攣り」だと思います。

今日は「トイレ」について書いていきます。

 

 

トイレに関しては、生理現象ですのでゼロにすることは不可能ですが、回数を減らすためのポイントはあります。

 

  • 特に前日~当日の水分補給はこまめに少しずつを意識する。

一度に大量に飲むと吸収の上限を超えてしまうために、取り込めないどころかただトイレが近くなるということになりうる。
ただし、トイレを避けたいから飲まないというのは身体の安全のためにもやめてください。
トイレのために身体を危険にさらすのは賢明とは言えないからです。

 

 

  • カフェインやアルコールなど利尿作用のあるものは避ける。

さすがに直前に飲酒をするという人はほとんどいないと思いますが、カフェインなどは利尿作用があると言われていますので、トイレの回数を減らしたい場合は避けた方が良いでしょう。

コーヒーだけでなくお茶やコーラ、栄養ドリンクなどにも含まれているので、気合一発で飲むにしてもタイミングは考えることをお勧めします。
また柑橘系のフレッシュジュースなども、結果的に利尿作用を高める効果がありますので、当日朝などは摂りすぎない方がいいでしょう。

 

 

  • 行ける時に行く。なるべく場所は確認しておく。

駅の移動や会場付近では混雑することが予想されます。会場の最寄駅に着いてからではなく乗り継ぎなどの時間を利用して、行ける時に行っておくことで安心感を得られます。

マラソンに限らず、「行きたいのにいけない」という不安な状態になり、考えれば考えるほど行きたくなるという不思議な現象を経験をされたことは一度はあると思います。
会場図やコース図を予め確認し、ある程度トイレの場所を把握しておくことで、ここまで行けば大丈夫という情報をインプットしておきましょう。

 

 

  • なるべく身体を温かくしておく。

大きな大会に限らず、スタート列に待機してから走り出すまでの時間が長い大会もあります。
マラソンの本格的シーズンは秋~冬と比較的寒い時期が多いので、その待機時間に体が冷えないように手袋やポンチョなどを装備しておくと良いかもしれません。
ウォーミングアップをしたランナーの場合、その効果を持たせることも期待できます。

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  • 走り出しの尿意は気のせいかも。

先に書きましたが、待機の時間はどの大会においても避けることのできないことです。
列に並ぶ前に行ったはずなのに、待っている間に「また行きたくなって来たかも?」ということはありませんか?

案外走り出すと気にならなくなることもあります。(※我慢しなさいというわけではありません)
ちょっと動いてみると、汗からも水分と熱が放出されるので、尿意が遠のくことはあります。

その可能性にかけて序盤を乗り切るのも一つの手です。
繰り返しますが、我慢のし過ぎは身体によくありませんので、行けるところで行ってくださいね。

 

 

金哲彦氏は以前著書の中で、「究極のトイレ術は走りながら用を足すこと」と書いてありましたが、市民ランナーにとっては色んな意味でハードルが高いので、よっぽどのタイム狙いなど目的がない限りちょっと難しいと思います。

 

快調に走っている時にトイレ休憩で脚を止めてしまうと、筋肉が硬直して動きにくくなることがあります。
トイレを制する者はマラソンを制す・・・とまでは言いませんが、力を発揮するためにはトイレ対策を考えて無駄ではないと思います。