身体に油を。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

昨日の記事では静的ストレッチについてお話ししました。
老廃物を流し、リラックス効果が期待できるので疲労を回復させたい運動後がオススメです。また故障がちな場所や柔軟性を持たせたい場所には効果的なストレッチでした。

今日は動的ストレッチについてお話しします。

まず動的ストレッチとはどういったものでしょうか。

昨日も書いたように、別名「ダイナミックストレッチ」と言います。ダイナミックな動きを伴います。
本当のところはダイナミックである必要はありませんが、動きを伴って複数の箇所に対して同時に刺激を加えることを狙いとしています。

実は日本人なら、だれでも一度はやったことがあるのです。
なぜなら一番身近な動的ストレッチは「ラジオ体操」だからです。

wp-1473423699850.jpeg

1,2,3,4・・・の合図に合わせて身体をいろいろな方向に複合的に動かす点はまさに動的ストレッチです。
ただ、この運動がどこに効くのか、ということまで考えて行った人は少ないと思います。

・・・ちなみに私は効果を考えるどころか、夏休みの朝起きてもラジオ体操には行かずに友人の家に遊びに行っては、嘉門達夫の替え歌メドレーを歌いに行く問題児でした(笑)

ラジオ体操に限らず動的ストレッチの効果としては、体温と心拍数をあげること、関節の可動域に刺激が入るという物理的な効果があります。

それに加え、交感神経を優位に働かせることで身体が動きやすい状態を作り上げるとともに集中力を上げます。

結果としてパフォーマンスの向上、怪我のリスクの軽減といった効果も得られます。

このことから考えても、ウォーミングアップには持って来いの運動が動的ストレッチなのです。

これから動こうとする身体に「油を差す」イメージです。

wp-1473422909965.jpeg

リオデジャネイロ五輪の陸上男子5000mと1万mで日本代表に入っていた大迫選手が所属しているナイキ・オレゴンプロジェクトでも行っているのです。

ただし、注意しないといけない点もあります。
動きを伴うため静的ストレッチに比べて強度が高くなりやすく、運動習慣がなかった方が急にやるのは危険が伴います。
痛みがあったり気になる箇所がある場合も控えた方が良いと思います。

また先に書いたように、交感神経が優位になるため、これから眠りにつこうとする時間帯に行うのは身体のリズムを崩すことになりかねませんので、気を付ける必要があります。

とはいえ、ウォーミングアップに適している点に関しては疑いのない動的ストレッチ。
ラジオ体操が身近とはいえ、それがあなたが求めている最適なストレッチであるとは言えません。

どのような動きをしたいのか、それによって適するストレッチは当然変わってきます。

あなたが何を目指したいのか、是非声を聞かせてください。
それによってあなたに合ったアドバイスを届けられたらと思います。