その笑顔から感じたこと。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛の野見山健治です。

 

先日、ボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチが行われました。村田諒太選手の世界戦再チャレンジとなるエンダム選手とのリマッチ。

同じ相手と行うのはいろいろな難しさがあったのではないでしょうか。

 

5月の試合では、村田選手がダウンを奪うなど優勢に進めたように見えましたが判定1-2で敗れチャンピオンにはなれませんでした。しかしその判定は、WBAの会長が再戦を要求するほど物議をかもしました。

 

その際も「判定はジャッジの仕事。受け入れるしかない。それがアスリートの役目」と全てを受け入れるような発言をしていました。

悔しい気持ちはあったはずです。

それでも言い訳を一切せず、清々しくさえ見える表情で試合を振り返る姿は、本当のアスリートのあり方を示していたのかもしれません。

 

 

そんなことがあっただけに、今回は同じ相手との試合で負けられない気持ちを持っていただけでなく、誰の目にもわかる結果を求めていたのではないでしょうか。

実際に試合は序盤からプレッシャーをかけ続け、結果的に戦意を喪失させたような形でのTKO勝ち。

 

印象的だったのは、その表情。

 

マウスピースが白いせいもあるかもしれませんが、笑っているようにも見えます。

少なくとも硬い表情には見えません。

 

試合後にエンダム選手を「友」と表現したように、純粋に楽しんでいたのかもしれません。

あの状況で楽しめたというのは、それだけやってきたトレーニング、この日のコンディションに自信を持って対峙できているのでしょう。

 

自信を持つことが、やってきたトレーニングの成果を発揮することに繋がります。

 

トレーニング内容に意味を明確に持たせ、目的を見据えて行うことで実戦の時により効果的にその動きを実践できるのです。

 

これはどんなことでも同じです。是非とも見倣いたいです。

 

 

おまけ

ボクサーのトレーニングはベースに持久系のものを置きつつ、1ラウンドを意識して3分周期(ジムや国によっては4分)で行うことが多いとされています。

今回村田選手の記事を読んでいるうちに興味深いものを発見しました。

この裏にはフィジカルを担当する中村正彦トレーナー(43)が取り入れた「解糖系トレーニング」があった。

これは30~40秒間の無酸素運動的トレーニング(主にダッシュ)を繰り返し行うもの。ボクシングの試合では「有酸素運動レベルのパフォーマンスをしている時間が多い」(同トレーナー)。強いパンチを打ち続けるラッシュ時が無酸素運動で、これをどれだけ長い時間、多くのパンチを出せるかで相手を倒せる可能性が変わってくるのは言うまでもない。ー東スポwebよりー

 

解糖系とは、筋肉中の糖質(グリコーゲン)を利用する代謝のことで、陸上でいうところの中距離種目で主に活発に働くエネルギー回路のことです。

無酸素に近い負荷を加えることで、ここぞというときにラッシュをかける準備をしていたということですね。

 

「この場面のために」と具体性を持たせて、身体に覚えさせるということがいかに重要かということを再認識させられました。

 

ミドル級はかなり厳しい階級ではありますが、今回のように試合を含めたその姿勢で魅せてくれる、そんな防衛戦を期待します。