学ぶ目線。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛の野見山健治です。

 

世界陸上ロンドン大会が開催されていますね。いろんな種目をまとめてみることが出来るチャンス。

ひとくくりに「陸上選手」と言っても、体つきなどが種目によって全く違いますよね。

それぞれの特性や身体の使い方などを見ていくのは、非常に興味深いものです。

 

 

個人的な注目種目

昨日で個人的な注目競技はやはりマラソン。

今回のマラソンは男女同日に、しかも続けざまに行われるというものでした。そのコースは約10kmを4周回するコース。

かなり狭い場所や段差があったり、急カーブや折り返しだけでなく坂道もあったりとテクニカルなコースと言われていました。

気温こそ想定よりも低くなりましたが、それでも日差しは強かったようです。

 

 

そんな中で、最も印象的だったのは男子マラソン川内優輝選手の走り。

ベストタイムでこそメダル候補の選手たちには遠く及ばない川内選手ですが、フルマラソン70回を数える驚異的な経験値と持ち前の粘りを存分に発揮する走りでした。

 

彼自身、レース中には看板にぶつかったり、転倒したり、給水も受け取れなかったりと決して思い通りの展開ではなかったはずです。

それでも冷静に気温や自分の走りレース展開を分析して、「今出来ること」をしっかりとこなしながら「ひとつでも前へ」の気持ちを忘れずに諦めなかったこと。

 

そういった準備や気持ちという面が重なって入賞まで3秒と迫る驚異的な追い上げを生み出したのだと思います。数字で見ても35~40kmのスプリットは全体4位、そして残り2.195kmのタイムはなんと全選手の中で一番速かったようです。

順位だけなら完全に入賞圏外まで落ちていたのに、猛烈な追い上げで7位が見える位置まで。

 

過去の経験から「この走りなら順位を上げられる」と感じながら走っていたようです。その自信を持てていたことが凄い。

 

ゴール直後の出し切ったという表情。

 

 

そこから学べること

「良い走りだったなぁ」

そう感じて終わってしまってはもったいないと考えます。

 

私たちは川内選手のように70回もフルマラソンを走るのは容易ではありません。(川内選手じゃなくても難しいでしょう)

もしかしたら次の挑戦が初めての方もいらっしゃるはずです。その方にとってはフルマラソンというものがどういうものか想像できないでしょう。

 

 

それでも「大会に向けて練習をする」というひとつの過程については、どんなに経験が差があっても同じです。

その時に経験や走力の差こそあれ、気温や風、坂道、ペース変化、自分の特性を踏まえて準備をすることはできます。

 

また想定されるアクシデントも少なからずあるでしょう。自分の身体に起こりうることを想定し、その対応策を練っておく。これが安心感と繋がり、自身の力を十分に発揮するための助けになります。

その想像力を膨らますためには経験が役に立ちますが、何も考えないよりははるかに効果があります。

 

是非、ひとごとと思わずに自分がレースを走るとしたらどうなるだろう。どう走りたいか。

考えてみてください。

 

 

 

次元が全く違うスピードを持つ世界の戦いですが、見方によってはそこから市民ランナーでも学ぶことはあると思います。

あなたの発見、何かありましたか?

 

もしあれば、教えてくださいね。