「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
ちょっと前にランニング(ジョギング)という行動が変な注目のされ方(悪意さえ感じる)をしたこともあり、マスクやバフ、フェイスガードなど何かしらの「エチケット」でランニングの習慣を守っていらっしゃる方も多いと思います。
その行為自体は素晴らしいと思いますが、やってるから絶対安全でもないですし、対処してるからといって何でもやりたい放題(集団で走る)とかは、言うまでもなく今の状況には合わないので、冷静な判断をしていきましょう。
そうやってマスクなどをして走るときに困っているのが「息苦しさ」のようです。
気温もぐっと上がってきているので、その苦しさは一気に増してきたようにさえ思えます。
でも私はその息苦しさ、感じてません。
なぜか?
息苦しくないペースにしているから。
単純なことです。
息苦しく感じている方の多くは普段通りのペースやコースで走っているのではないでしょうか。
同じことをやって、呼吸の制限をしたらそりゃ苦しい。
だったら苦しくないようにすればいいのです。
ゆっくりに意味があるのか
苦しくしない一番手っ取り早い方法はゆっくり走ること。(トレーニングしないというのはなしで(笑))
ゆっくり走るだけではトレーニングの効果がない。頑張る(=苦しい)トレーニングをしなければ走力が伸びないと考えていませんか?
この意見は半分正解、半分間違い。
苦しいという概念は「ゼーハー」いうような内容だけではありません。
普段やっていないような内容は身体が慣れていないため、難しかったり苦しく感じたりします。そこを攻めれば、走力の向上は十分に狙えるのです。
トレーニングのことに触れる際にはいつも言っていますが、「刺激」が身体を変化へと導きます。
では刺激に感じることは何か。
先に挙げた速いペースというのが一番イメージしやすいでしょう。ゼーハー言います。身体もメンタルも刺激です。
いつもより長い距離を走る。これも刺激になります。
もうひとつ、いつも走るよりゆっくり走る。これも刺激になります。そして今こそやってほしいのがこのゆっくり走ること。俗にいうLSDです。
ただあなたが思う「ゆっくり」はおそらく速いです。速すぎます。意見聞いてないけど(笑)
ゆっくり走りましょうというと、大体の方が普段から30秒~1分程度/km遅いくらいです。確かに「普段よりは」ゆっくりかもしれませんが、私が言うゆっくりは7分より遅く、人によっては8分より遅くても良いと思っています。
これはあくまで私の考えですが、1500mを全力で走るとしましょう。この時の1km辺りの平均ペースを2倍程度がLSDの適正ペースといえるでしょう。
具体的に言うと、1500mを5分15秒で走れるとしましょう。このペースで走るのは運動経験があったり若い10代、20代ランナーでない限り簡単なことではないと思います。(もちろんトレーニングで熟練してくれば年齢にかかわらず十分可能な数字ではあります)
この場合、平均ペースが3分30秒/kmですから、LSDのペースは7分/kmくらいです。
このレベルでさえ7分だとしたらどうでしょうか?
あなたのLSDは速くないですか?
ちなみに1500mを6分30秒以上かかる場合は、速くなるとしても上限を1.8倍くらいを目安とすると良いと思います。
このペースに抑えることができれば、苦しくはならないはずです。
苦しくはなりませんが、接地時間は長くなり、その分一歩ずつ筋力を使って推進力を生み出さなくてはならなくなるため、エネルギーは使いますし筋力の向上が狙えます。
また血流を適度に良くして血中酸素の運搬能力を高めたり、リラックスすることも期待できます。
慣れていなければ60分を過ぎると、足が子どものときの「遠足の帰り道」のようなだる重い感覚になると思います。その感覚を得られたところがスタートライン。そこからが伸びしろです。じっくり粘る。
これができるようになると、普段のペースを驚くほど楽に感じるようになります。
ただ慣れるまでは7分以上のペースで走ることは難しく感じるでしょう。その難しさにチャレンジすることが成長を呼びます。
今、マスクという武器を手に入れたんです。
是非それを活用してください。
マスクを手放せた時、あなたがやりたかった「速く走る」へと近づいていることでしょう。
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