「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
今日は各地でいろいろな大会が実施されています。あちらこちらから「こんな結果だった!」という報告や投稿があるので、気持ち的に大きな刺激をいただいてます。
その中でもテレビで流れたのが別府大分毎日マラソン大会(通称:別大)。この大会に出るためには、フルマラソン3時間30分以内の記録が必要であることもあり、市民ランナーにとってはハードルが高く、ひとつの目標や憧れのレースとして挙げられることもあります。
大会当日も基本的には1km5分より遅く走ると7つある関門のどこかで引っかかる形になります。厳しい!
参加者も持ちタイムごとに4つのカテゴリーに分けられ、スタートブロックだけでなく待機・更衣場所なども異なります。こういうヒリヒリした感じの大会は、都市型とは違う緊張感があっていいなと思います。
だからこそ感じられる達成感。真摯に走ることと向き合うというのも魅力の一つ。
予想外の走り
スタートから海沿いにも関わらず、風があまり強くなく気温もそこそこあったので、動きやすかったようです(参加者談)。
今大会のペースメーカーは3分2秒/kmくらいをベースにしていましたので、均等に走れれば2時間8分くらいの記録となる計算。大会記録が2時間8分15秒ですから、それを超えるくらいになってきます。
スタートから安定したペースを刻んでいたのでしょう。先頭集団は非常に大きな集団となっていました。
国内外の招待選手だけでなく、一般参加のランナーも数多くレベルと意識の高さを感じる序盤。
ベテランはもちろんですが、初マラソンという若手や学生もちらほらと。
その中で今大会ひときわ目立ったのが、吉田祐也選手。青山学院大学所属で年始の箱根駅伝で初参加であったにもかかわらず4区区間新で駆け抜けた選手。
箱根駅伝翌日に大会参加を決めたとのこと。マラソン初挑戦ということ、そして競技引退を予定していたということですから「集大成」の気持ちで挑めたのも無関係ではないでしょう。
30kmでペースメーカーが外れた後、小さな揺さぶりがいくつかあり集団から少しずつ人数は減りながらも大きく崩れず。この時点でも集団は決して小さくなく、レベル・意識の高さを感じられたのが1つ目の意外。
もう1つの意外は衝撃的でした。
35kmくらいから仕掛けたハムザ・サリ選手、アブデラ・ゴダナ選手に続いて追っていったのが吉田選手だけ。
3人に絞られた優勝争いの中でも小さな仕掛けがちらほらと見て取れました。残り3km地点くらいで、思い切って仕掛けたのは吉田選手。
一気にスパートをかけ、この2選手を一時抜き去って先頭に立つ。さすがに振り切れはしませんでしたが、冷静に温存し終盤行けるところで勝負に出るという姿勢はとても初挑戦の学生とは思えませんでした。
最後は振り切られ3位となりましたが、中身のある内容でした。仕掛けたときには思わず声が出た。興奮しました。
優勝はサリ選手で2時間8分1秒で大会記録を更新。吉田選手も3番手ながら2時間8分30秒と好記録。この記録は日本人選手の初マラソン記録、学生記録いずれも歴代2位となるタイムだそうです。
人生は本人のものですし、周囲の人は(私も含めて)言うだけなので簡単ですが競技レベルで続けてもらえたら面白いのかなぁと。
彼らを含めて日本人選手6名を含む合計10名がサブテン(2時間10分以内で走ること)を達成。自己記録を大幅更新という選手も相次ぎました。
やはり意識の高さ、メンタルブロックの崩壊がこのレベルの高さに繋がってきているのではないかと感じました。
世界新も生まれた
視覚障害の部の女子選手、道下美里選手(T12クラス)が自己記録を上回る2時間54分22秒で見事優勝!世界新記録更新となりました。
これまでの自身の記録を2分近く更新する快走。この次元での2分というのはまぐれでは絶対に起きない。
パラリンピック代表内定は取っていますが、年末の防府マラソンで納得できなかったことで参加を決めたそうです。これ以上ない結果!凄すぎます。
道下選手よりも障害の程度が重いとされるT11クラスの井内菜津美選手も3時間12分55秒で、このクラスの世界記録を更新!
自身の記録を一気に約10分も更新したというから驚き。残念ながらパラリンピックマラソンでの代表は難しいようですが、トラック競技で狙うとのこと。躍動に期待。
複数の世界新が同じ日に、同じ大会で出るなんてとんでもないこと。本当におめでとうございます!
蛇足。
実況なら、知名度のある選手ばかりがどうとかじゃなく、画面に映っている選手をまんべんなく扱うべきだ。102番の一般参加のゼッケンの選手が誰かなんて、(たぶん)全く触れられなかった。私の記憶の中ではゴールした時しか扱ってないんじゃないか。先頭から名前を呼んで、数人飛ばして7番手とかある??
おかしい。
あなたはファンですか?仕事でしょう。仕事なら「実況」を全うしてほしい。選手とは違って意識の低さを感じたところが残念でした。これに関しては、意外性はないけれど。
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