壁に迫った日。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

今朝は日本代表がベルギーとベスト8をかけての戦いがあるということで早起き。とはいえ録画をしていたので、目覚めたらいいなという気持ちだったこともあって途中からでしたが。

過去最高のベスト8を狙った試合。歴史を変える瞬間を生で観たいと思い、眠い目をこすりながら観戦へ。

 

今大会は実績あるチームも苦しんでいる印象(参考記事:評判は結果を左右しない)。サッカーは何が起こるかわからない、というのが顕著なので期待を込めて見てみたら…

 

前半終了時点で「まさかの」0-0。

正直、リードされていると思っていたので予想をいい意味で裏切る展開。内容も攻め込まれつつも一方的ではなく、日本はボールの出所とキーマンをしっかりと複数人でカバーして対応しており、両チームがかみ合った展開と感じました。

 

そんな流れからの後半開始直後。乾選手が奪い、中盤で柴崎選手に預け、そこから全力で走った原口選手へのスルーパス。角度が厳しい場所からフェイントで一瞬タイミングをずらして名手クルトワ選手の体勢を変えさせて右足一閃!

鮮やかなカウンターから先制点。

奪ってから、パスを信じて走り、そして絶妙なパスでそのランを生かす見事な攻撃。お手本のようなカウンターでした。

 

さらには、そのわずか数分後にゴール前の混戦から香川選手がこぼれ球を拾い、乾選手にわたり、得意な角度からコンパクトに振りきったシュートが決まり追加点。思わず声が出て、目が覚める展開。

 

 

しかしここからがサッカーの難しいところ。「2-0は危険なスコア」だと表現されます。1点返されると相手は勢いづき、こちらは浮足立つということが往々にしてよくあるからです。

実際に残りが40分ほどある中、守りに入るには早すぎる。そもそも日本がフィジカルで上回るベルギー相手に守りきるだけの力はおそらくない。ここまで攻められながらも完全に崩された場面は多くなかったこともあって、同じようなサッカーを続けようとしていました。

 

 

2-0の難しさが次第に現実のものになってきます。

後半20分くらいでベルギーが2人を交代。左サイドのカラスコ選手にシャドリ選手、FWのメルテンス選手にフェライニ選手。どちらも同ポジションながらサイズのある選手。さらに攻撃的に出てきて、その高さを生かそうという采配。そこは日本の弱点でもありました。

この交代をきっかけにゲームメーカーのアザール選手がより自由に動くようになり、なかなかマークに付けない状況に。

 

すると交代から間もなく、CKからの混戦で大きくクリアできなかったこぼれ球を少し離れた場所から高い山なりのヘディング。そのままGKの頭を越える形で1点返されました。さらにその数分後、アザール選手からのクロスを、交代で入ったフェライニ選手がゴール前で高さを生かしてのヘッド。これが決まって同点。この2点目に関してはノーチャンスだと感じました。対策は出来てた上で、相手がその上をいったという印象。

 

しかしまだ同点。

 

 

その後も攻められながらも身体を張った守備で反撃のチャンスを狙っていた日本。

試合終盤、FKやCKのセットプレーからゴールを脅かすもネットを揺らすことは出来ず。そして試合終了直前。

 

日本のCKをキャッチしたGKから素早くパスが出る。勢いよくベルギーのカウンター。中央から右サイドへの展開。そこから逆サイドへのクロス。

左右に大きく振られ、中央でスルーをされるこれまた交代で入ったシャドリ選手がフリーで流し込み、決勝点。この場面、キーパーからのパスを遅らせられなかったこと、中盤のセンターサークル付近でプレスに行くかコースを消しに行くか明確な動きが出来なかったことが悔やまれますが、それも結果論。

素早く、鮮やかな切れ味十分の攻撃はベルギーの持ち味でした。力負け。

 

まさに「力尽きた」という感じの展開でした。

2-3での敗戦。交代で流れを変えたベルギーの采配も凄かった。

 

 

それでも大会に向けて監督が代わったりとドタバタがあったことも含め、それほど期待値が高くなかった日本代表。

いい意味で大きく裏切って、グループリーグを突破し、決勝トーナメントでも強豪相手に「あと一歩」と思わせるほどの健闘。本当に素晴らしい戦いだったと思います。

 

ここまで期待を持たせてくれた代表にはありがとうと言いたい。過去最高まであと一歩まで迫れたワクワクする試合でした。

またこの舞台に戻ってこられるように、そして今回も超えられなかったベスト16の壁を越えられるように、この経験を生かして成長してほしいと強く思います。

 

 

ひとまず、お疲れさまでした。楽しい試合をありがとう。