大きな壁。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

久しぶりに少し時間にゆとりを感じながら過ごしています。
事務作業もこつこつやりながら、あとの自分を助けるために。日々の積み重ねは苦手ですが、大事ですね。

 

さて、世界陸上。
まずはサニブラウン選手が男子100mで初の決勝へ!

まだまだ世界のトップとは大きな差があるのは事実ではあるけれど、そのトップの「100%」と戦える舞台に立てるようになったことが凄いと思うのです。
舞台に立った選手が積んだ経験、そしてそれを肌で感じた選手と競い合うことで他の選手にも良い影響が出ていったらもっと底上げになるのではないかと。
 

女子1500mの準決勝に進出した田中希実選手も然り。
上位選手の切り替えやスピードとは差を感じましたが、積極的に先頭に出るなど彼女自身のプランの中で戦える姿勢とそのための戦略をある程度出せたのではないかと思います。
途中の位置取りなどは思い通りじゃなかったかもしれませんが、それが世界の舞台。

次に生かしてほしい。

 

もっと大きな差

男子マラソンの日本選手は鈴木健吾選手がコロナ陽性のため出場できず。星岳選手、西山雄介選手ら3人の中では一番の経験とタイムを持っていただけに残念。
仕方ないけど…出国前に判明して渡米さえできなかった選手もいましたが、このタイミングで…

 
先に触れたトラック競技も世界との差は大きいですが、男子マラソンのそれはさらに大きく厚い壁に感じました。
序盤は5kmのスプリットが16分近くなるなどゴール予測タイムが2時間12分程度か?という話が出るくらいのかなりゆっくりペースでした。
小さな揺さぶりはあるものの、全体的にはそこまで際立った速さではありませんでした。

 

ところが中盤を過ぎて縦長の展開になりはじめ、サバイバルの様相に。
そして終盤には優勝したタミラト・トラ選手の驚異的なスパート。

 
先頭集団を形成していた2時間2~4分台の自己ベストを持ってる選手たちが付いていけないほどの圧倒的な(2分40秒/kmくらいらしい)切り替え。
35~40kmで14分10秒??
10000mかよ、と言いたくなるくらい。

 

 
正直今の日本の選手で、このような切り替えやスピードで勝負するのは厳しいと思う。

そのペースは最後まで崩れず、2時間5分35秒の大会記録となった。序盤のペースを考えると驚異的な変化。

 

西山選手は世界陸上での日本人最高タイムの2時間8分35秒と2度目のマラソンながら良いタイムを出しましたが、13位。
この差は数字以上に大きいと思います。

 

 

日本人選手が入賞、あるいは上位争いに絡むためには、思い通りには握らせてはもらえないと思うけど、主導権を握れるような先に動くような展開が必要じゃないのか、と。

 
最近よくある先頭集団の仕掛けまで中団で待って、その後の勝負所で耐えるという流れじゃ難しいのだと思う。
ただ、こうして書くことはできても主導権をあの流れで掴むのは、勝つこと以上に難しいことも想像できる。ただ仕掛けに合わせるよりは可能性がある気がする。


まずはそういう選手を見てみたい。
そういう意味でも、比較的仕掛けるタイプの鈴木健吾選手が見られなかったのが残念。

もしくは30kmのペース走の後に5km程度ギアチェンジする練習など、それに特化した内容を組み込む必要があるのかもしれない(負担は大きいが…)。

 

 

 

でも短距離・跳躍系でも進歩しているように「出来ない」と諦めず、対応をしていって戦えるようになってくれることに期待。