「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
年末年始、どのようにお過ごしでしょうか。
私はなんだかんだでやることがあったりするようなしないような(?)感じで案外時間に追われております。時間の使い方が下手なだけですね(笑)
自分の中でやはりスポーツは見逃せない。
年末に行われた高校バスケットのウインターカップでは、私の出身校である福大大濠が見事優勝!(バスケ部に所属してたわけでもないですが)
関係者じゃなくても、母校の名前を良いニュースで見るのは嬉しいものです。
決勝の試合も、1点を争うどちらに転んでもおかしくない接戦で緊張感もあり見ていて面白かった!
おめでとうございます。
圧巻の走り
全日本大学女子選抜駅伝競走(通称、富士山駅伝)では、名門名城大が安定の連覇。
強いと言われ続けて、それでも勝つというのは凄いですね。
正直、一視聴者としては他の学校がそれを脅かすような展開を期待したりするのですが、一度も首位を譲らない完璧なレース運び。
付け入るスキを与えないその強さが光りました。
その中でやはり目立ったのはエース区間の最長5区(10.5km)。
名城大は和田有菜選手。
先頭でもらい、独走状態ながらきっちりペースを刻んで首位キープ。区間3位ながら区間新記録更新の好走で追撃を許しませんでした。
まさにキャプテンといえる力強さ。
それでも目立ったのは同区間で和田選手を上回った大東大の鈴木優花選手、そして拓殖大の不破聖衣来選手。
鈴木選手は大東大の絶対的エース。
2019年にはユニバーシアードのハーフマラソンで金メダルを獲得するなど同世代では世界クラスの選手であり、10000mでは学生歴代2位の記録を残すなど強さと速さを兼ね備えた選手。
一方不破選手はジュニア世代から中長距離で圧倒的な強さを誇ってきた選手。
2021年になりその強さがさらに際立つ形になり、初めて挑戦した10000mでは20歳以下の日本記録、しかも日本歴代2位となる30分45秒21という驚異的なタイムを出しています。
(ちなみに同種目で30分台を記録しているのはこれまで不破選手を含めて4名だけ。東京オリンピックに出場した廣中選手でさえまだ30分台は出せていません)
鈴木選手は13位、不破選手が12位とわずか2秒の差でスタートする展開になったものですから個人的には盛り上がり。
予想通りにすぐさま並び、2人で競うように走る。
失礼ですが、周りの選手とは種目が違うんじゃないか?というくらいスピードの次元が違って見えました。
上位に来るようなチームのエース格に、一切並びかけることさえ許さない圧倒的な速さ。
鈴木選手は10人抜きで3位に押し上げる快走。従来の記録を1分以上上回る区間新記録。
そんな鈴木選手を上回ったのが不破選手でした。
とにかく動きがなめらか。決して身体が大きいわけではないと思うのですが、その身体を最大限に活用できているように見えました。
序盤の数キロで鈴木選手さえ置き去りにして、前を追い続ける。
その勢いは最後まで途絶えず一気に2位まで押し上げて従来の記録を2分近く更新する区間新記録でした。
「圧巻」とはこういう時に使うんでしょうね。
素晴らしい走りでした。
これでまだ1年生というのですから、この先が楽しみです。
新年はここから
新年最初の日本一を決める大会はニューイヤー駅伝!
こちらはまた違った面白さがありました。
1区から九電工やYKKという、優勝候補とはされていなかったチームが区間上位に来るスタート。
2区のインターナショナル区間(外国籍の選手が唯一出場できる)では、オリンピックに出場した選手もいるなどまさに世界規格のスピードが味わえました。(日本選手頑張れ…!)
特に凄かったのが3区。
この日は気温も低く風も強く、気候の影響を受けやすいコンディションだったため区間によっては非常に苦しい展開になった場所もあったようです。
そんな中で3区は7人が従来の区間記録を更新する快走。
旭化成の相澤晃選手やトヨタ自動車の太田智樹選手、富士通の潰滝大記選手などは有力視されていたチームですし、実績を見てもそれほど驚きではありませんでしたが。
三菱重工の林田洋翔選手、黒崎播磨の田村友佑選手、トーエネックの難波天選手、NTT西日本の小林歩選手は強豪チームと目されてはいなかった中での快走。
これでレースがさらに面白くなりました。
4区では黒崎播磨の細谷恭平選手、安川電機の古賀淳紫選手が強風を切り裂いて区間新を更新。
古賀選手はハーフマラソンで実績を重ねていますし、細谷選手もマラソンで2時間6分台の記録を持つなど納得と言えば納得ですが、知名度で言うと「有名どころ」ではありません。
そういう意味では意外と感じた人も少なくなかったのではないでしょうか。
他の区間でも陸上好きなら知ってるかもしれませんが、報道などではあまり聞かない選手の躍動がいくつも見られました。
それらの選手のタイムを見ると明らかに全体のレベルが上がっていることは想像が出来ました。
昨年の優勝チームであり、後半の区間に日本記録保持者や代表歴のある力のある選手を置いた富士通も序盤の劣勢を跳ね返すことが出来ず、11位。
優勝を飾ったのは初となるHondaでした。若い世代のみでの構成されていました。
2区では23位まで落ちたところから、着実に盛り返して後半の勝負所で逆転。いい意味で若さを感じさせない勝負巧者ぶりも見せました。
特に最終区間ではSUBARUに数秒差まで追い上げられる展開ながら、落ち着いて対応していました。
相手が「いけるかも」と感じたであろうところでギアを変えて突き放す。
勝負としては心身に与えるダメージは大きかったはず。
そのSUBARUの口町選手でさえ区間3位だったことを考えると、最終区間の土方選手がいかにうまく走ったかということが読み取れます。
駅伝は速さ・強さが必要なのはもちろん、その強さを発揮できる展開というのも重要なのだと改めて感じるとともに、新たなチームの上位躍進、かつての強豪が沈むなどいろんなことを感じるレースとなりました。
企業チームの撤退など寂しいニュースを目にしますが、やはりこうした活動で一部のチームに集中するのではなく、競技全体の裾野が広がるというのは大事かなと感じます。
明らかに各選手の出すタイムの水準は数年前と比べて上がってますし、2022年は明るいニュースがたくさん見られたらいいなぁ。
盛りだくさん過ぎて、見る時間と体力が足りません(笑)