JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
このブログを読んでいただいている方は、ランニングを習慣にしている方が比較的多いと思います。
楽しむため、健康のため、習慣だから、より速く走るため、より長く遠くまで続けるためなど走る人の数だけ目的はあるでしょう。
せっかく行うのであれば、より「上手に」走ってみたくはなりませんか?※フォームを変えるという意味ではありません。
ランニングという単調な動作に、違う刺激を入れると今まで経験しなかった反応が自分に跳ね返ってきて思わぬ効果が得られるかもしれません。
「クロストレーニング」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
クロストレーニングとは、同じ刺激ではなく複数の運動やトレーニングをすることで、身体全体のバランスを整えつつ総合力を上げることを目的としたものです。
ランニングはある程度長い時間を動き続ける必要があるので、自転車や水泳など身体に衝撃が加わりにくく、かつ心肺に刺激を入れながら加減をすれば長時間続けられるものを取り入れている場合が多いです。
そんな中、意外と効果を軽く見られているのが「ウォーキング」。
歩くことは走ることよりも負荷は低いですが、きちんと身体を使って歩くと思った以上に疲れますし、着地の衝撃などは少なくて済む効率の良いトレーニングとなります。
ただ街中を歩くのは物足りない、面白くないという方に、オススメしたいのがちょっとした起伏のある場所を歩くことです。
身体の使い方の違い。
歩くことと走ることの違いはスピード以外にもあります。
走るときは当たり前ですが前に進もうとしますので、長い距離になればなるほど上に跳ねるような動きは優先度は高くありません。
特に長距離になればなるほど、動きは小さくなってきます。(かなり速い走力の方には該当しないかもしれませんが)
上の画像は走っているイメージですが、意識は別にして実際に膝を高く上げるという動作はあまりしませんよね。
これに対して、傾斜の激しい坂を上ったり、階段を上るときはどうでしょうか。
このように膝を持ち上げる必要がありますので、走ることに比べれば脚を引き上げる意識を高めることが出来ます。
同時に手のふりも大きくなりますし、脚を引きあげるのに合わせて自然と上半身と下半身をひねって登ろうとするので、身体を大きく使えるようになる助けになります。
そして前に踏み出した脚を軸にして、身体を持ち上げます。
この時に骨盤は左右ぐるぐると回転します。
この滑車のようなイメージですね。
このように股関節を回せるようになれば、一歩の回転力が純粋に増します。
脚を伸ばすことが出来るというようなイメージです。※残念ながら文字通り伸びるわけではありません(笑)
同じエネルギーで、同じ身体の動かし方のイメージで少しでも遠くに行けたら、それは純粋に走力のアップを意味します。
近くに山がない場合は、坂道や近くの階段などでも効果はあるでしょう。
ただ歩くのではなく、しっかりと脚を持ち上げるような意識をすることで、身体のどの部分を使っているのかという身体との対話を楽しむことが出来ます。
もちろん平地を歩くことにも効果はあります。
しっかりと地面を掴むように接地を出来るので、上半身との連動も感じやすいですし、身体を前に押し出すような動きを意識することも出来ます。
それをより感じることが出来るのがノルディックウォーキング。
だいぶ人口も増えてきています。
きちんとしたフォームで行うと、上半身もかなり疲労します。
日常で誰もが行う「歩く」という動作。
今一度振り返れば、それさえ効果的なトレーニングの時間に変えられるかもしれませんよ。