成果と課題。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

昨日は全日本実業団女子駅伝予選会(プリンセス駅伝)が開催されました。

一般道路を使って行われる大きな大会としては、コロナの影響後では初めてではないでしょうか。

 

それだけに個人的に注目していたのは、応援の「自粛要請」に対して実際にどれくらい守る人がいるのかという点。

 

横断幕や「のぼり」を立てての企業関係者の応援はさすがに見られませんでした。これは予想通り。要請に逆らっているというアピールをわざわざする会社があるはずもないですよね。

 

 

問題は一般の方。一般道を使っているんですから歩行者など完全通行止めにするわけにはいきません。近隣に住んでいる方は、ちょっと家の前に出るというようなことはあるでしょう。仕事や買い物など日常生活をする空間なのですから。

見ている範囲では、集団での応援や「いかにも」応援というような人は多くはなかった印象です。それでも各中継点周辺ではそれなりに多かったように思います。

 

 
いくら関係者が万全の対策をしていたとしても、周囲の理解と協力が無ければそれさえぶち壊しにしてしまうこともありうるのです。
ファンだけでなく家族や関係者からすると、見たい気持ち、声をかけたい気持ちはわかりますが、本当に選手のことを考えるのであれば我慢しませんか?「自分くらいは」という行動によって、選手の活躍の場が失われてしまうということもあるのだから。

 

 

そういう意味では、今回は改善点はあるはずですが一定の成果はあったのではないかと思います。今後大学駅伝やメジャー大会の一部は制限を課しながらではありますが実施予定となっています。これを生かして成功に導いてほしいと願います。

 

今年もまた

今大会は、一昨年にもアクシデントが起こっていました(参考記事:昨年の悲劇が)。

 

その時目立ったアクシデントは怪我と体調不良の選手でした。選手生命どころか生命そのものが心配されるレベルにも見えるほどでした。

 

今回も似たような場面が出てしまいました。1区の岡田佳子選手(京セラ)が中継点を目前にしてふらつき倒れました。起き上がろうとしているのかと一瞬思いましたが、明らかに不自然な動きを繰り返す状態。全身の痙攣をおこしていたようです。衝撃的な場面でした…
前述の出来事があってから、周囲の判断で棄権をさせられるようにはなったようですがそれでももう少し早い対応ができたんじゃないかと感じるほど長く感じました。

その後救急搬送され無事だったようで少し安心しました。

 

最終区間の古川瑠音選手(ニトリ)は初出場ながら予選突破できる14位で残り1kmまで走ったものの、似たような症状で足取りに力がなくなり、後続の選手に並ばれても反応さえできませんでした。あの状況で全く反応できないという時点で心配だったのですが、ゴール直前では走ることさえままならないほどになっていました。
林田美咲選手(九電工)もゴール付近でふらつく様子が見られました。(ゴールラインがわかりにくかったのもあるかもしれませんが)

 

 

時期的に気温差は大きくなりがちではありますが、平均でみると極端に気温が高くなるわけではありません。実際にこの日のスタート時は20℃ほどだったそうです。直射日光の強さも影響はしているでしょう。それ以外に気温差に反応がしにくいという状況があったのかもしれません。
距離に関しては最長10.7kmですから出場選手の走力だと平均しても35分くらい。実業団レベルで選手になる選手からすると、各選手の距離特性ことあれど不安に感じるほどの長距離でもないはずです。

 
それでも熱中症などによりふらつく選手が画面で見えるだけでも複数名いました。この大会、多すぎませんか?
他の大会でここまで目立つことはないように思います。

 

 
突発的な外傷や故障に関してはまた別ですが、体調面に関しては何らかの異変などはこの前からあったかもしれません。先に触れたように選手の安全のため規定が変更もされていますが、それ以前に健康チェックなどにも力を入れた方がいいのではないかと思います。女性であることも関係している可能性もあるので難しい面も出てくるとは思いますが、それも含めて選手が相談できるような環境づくりをすることは安全を守り、選手生命を長くしてもらうためにも必要を感じました。

 

 

こういったことが大事に至る前に、しっかりと対策を練っていく必要があると考えます。