「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
ネット環境が張り巡らされている今では、自分の欲しい情報を仕入れるのが比較的容易になってきました。発信するのも自由ですから、全ての情報が正しいというわけでもありません(この点、自分自身も気をつけなければなりませんが)。
自分にとって必要で、かつ正確な情報をどれだけ落とし込めるかが重要となってきます。
私がトレーナーとして最も力を入れていて、顧客の中でも最も需要が多いのがランニングです。そのランニングのトレーニングひとつ取っても、多岐にわたります。聞いたことがあってもやったことがないもの、やってはいるけど効果が実感しにくい気がするものもあるかもしれません。
今の自分が何を求めていて、そのためには「どのように」取り組むべきかと言う点は把握しておく必要があるでしょう。
トレーニング「閾値走」
ランニング指導で著名なジャック・ダニエルズの理論の中で、ランニングの練習で行うペースを5段階に分けて考えられています。その5つを簡単にまとめてみました。
- 心筋への刺激や血液・酸素の供給量向上を狙うEペース。ウォーミングアップやクールダウン、疲労抜きに使えます。
- マラソンにおけるペース走やロング走の指標とするMペース。
- 乳酸性作業閾値の向上を狙い、連続して高い強度の運動を出来ることを狙うTペース。
- 最大酸素摂取量の向上を狙うIペース。
- スピードやランニングエコノミー(効率)の向上を狙うRペース。
今回はその中のTペース。このペースで行うランニングのことを「閾値走」ともいいます。
閾値走とは何か。ざっくり言うと「結構速いけど耐えられる強度で走り続ける」トレーニングです。
その効果ですが、高い強度の動きを行うと糖を優先的にエネルギーとして消費します。その際に出るのが乳酸。以前は疲労物質とされて「悪者扱い」されていましたが、今ではエネルギー回路の一部とみなされています。つまり、この乳酸をどれだけ効果的に使えるかで、耐えられる強度が上がっていくということになります。耐えられるかどうかという境界線のことをLT(乳酸性作業閾値)。このLT値が上がれば、耐えられる強度が上がる=速いスピードで走ることが可能になる。
閾値走というのは、そのLT値を上げていくことを目的としています。
正確な数値の測定は血中の乳酸濃度を調べれば可能ですが、一般的なランナーにはそんな機会ありません(笑)ですが、簡易的なものであれば心拍数で計算をすることも出来ますし、GPS時計の上位モデルであれば計測可能です。
実践してみた
年始に実践してみましたが、この強度は絶妙です。
頑張らないといけないけど、無理じゃない。止まりたくなる時間もあるけど、気持ちを切らさなければ継続できる。まぁ、それが難しいのだけど(笑)
目安として、このLTペースは「60分までであれば継続できるはず」とされています。効果が出るのは20分以上。この日は約40分。現在の目標ペースからすると3分50秒くらい。私のハーフでのベストはこのペースより速いので、もうちょっと上げても問題はないはず。
このトレーニングの難しいところは、速すぎてもダメ、遅すぎてもダメということ。頑張りすぎず、適正な範囲に収まってこそ「閾値走」としての効果が出てきます。(もちろん速かったり遅くなった場合は、閾値走とは別の効果が出てくるので無意味ということではありません)
大会で走る時は出せても、日常で1人でこのペースを維持するのはなかなか大変。走りながら感じたのは、2年前にこれより速いペースでハーフを走っている自分が信じられないということ(笑)本気でハーフのタイム狙いというのも今年やってみようかな。
このトレーニング、効果があります。でも、その分強度は高いです。頻度はおさえていかなければ身体に余裕がなくなりますし、何よりトレーニングが楽しくなくなる可能性もあります。
やってみたいという時、頑張りたくなったら、是非お声掛けください。全力サポートをいたします。
何にせよ、「ご利用は計画的に」です。