JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
先日フルマラソンにおいて、信じられない数字が現実味を帯びてくるプロジェクトが行われました。
そのプロジェクトは「ブレーキング2」。
人間がフルマラソンでの2時間の壁を越え、1時間台の記録が出せるのかという点に関して、NIKE社がシューズ、トレーニング、栄養、リカバリー(回復)面というあらゆる角度からサポートするプロジェクトでした。
ブレーキング2ってどんなプロジェクト?
挑戦したのは、フルマラソン世界歴代3位の記録(2時間3分5秒)を持つキプチョゲ選手、ボストンマラソンで2回優勝のデシサ選手(自己ベスト2時間4分45秒)、そしてハーフマラソンの世界記録(58分23秒)保持者タデッセ選手の3名。
コース設定はイタリアのモンツァというF1が行われるサーキット(1周約2.4km)。日陰が少なく、平坦で急な曲がり角などが少ない場所が選ばれ、開催時間も早朝と気温による影響を受けにくい時間に行われました。
レース中にもペースメーカーが複数いてレースを引っ張るだけでなく風よけの役割も果たしました。
さらには給水も移動しながら手渡しをするという、通常のレースとは異なり「走る」ことだけに集中できるように設定されたようです。
そういった特殊な条件のため、記録は非公認扱い。
もちろんナイキとして売り出すための手段のひとつでもあるとは思いますが、純粋に人の能力がどこまでの可能性を秘めているのかという点が個人的に気になっていました。
2時間以内は限界ではない?
そういう環境の中、出した記録は公認世界記録である2時間2分57秒を大きく上回る2時間0分25秒!!
もう凄すぎて、何が凄いのかよくわからない数字です(笑)
動画はこちらから。
それにしても驚異的なペース。
公認世界記録でさえAve.2分54秒/kmで走りきる必要があるのですが、今回のタイムはAve.2分51秒/kmで走りきったことになります。
私のスピードでは1kmだけでもついていけるか微妙なほどのこの次元での3秒、どれだけ難しいのか全く想像することも出来ません。
見た目での3秒以上に大きな壁があるとは思いますが、近い将来にその大台を突破する瞬間が来ると思うとワクワクしてしまいます。
さまざまなサポートがあったとしても、こんな数字が本当に出せるとは…2時間の壁を超える可能性を充分に感じさせる結果のように見えます。
プロジェクトとしては2時間をきれなかったことで、続編もあるような気がしますが、今回使用されたシューズなど、発売されたら人気になりそうですね。
こういう世界のトップを争うところに、日本が絡んで行ける日がまた来ることを期待したいと思います。
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