こだわりにこだわらない強さ。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

先日とあるテレビ番組を見ていたときのこと。

その時の特集は、飲食店で長年やってきて経験もあり評判も良いお店の店主が、新進気鋭とも言えるお店へ向かい、自身がこだわっているメニューのそのお店のものを食べるというものでした。

 

パン屋さんだったり、中華料理屋だったり様々なこだわりやコンセプトを持ったお店が出てきます。

 

それぞれ、その道のプロですので言葉は違えど「自分が作るものが一番おいしい」と自信を持って言いきっていました。

他の店とは比べるまでもないというほどの誇りとこだわりを持っている店主たち。(関西エリアのバラエティ番組なのでリップサービスも大いにあると思いますが)

 

 

その中で印象的だったのは、麻婆豆腐にこだわっている店主。

その方が作るのはひき肉と豆腐、味付けも辛味と香辛料を存分に使った私たちのイメージ通りの王道の一品。

 

そんな店主が向かったお店は魚介をコンセプトにした中華料理店。

提供する麻婆豆腐も、ひき肉は一切使わず魚介のみで白子まで具材に入っていました。そして辛くもないらしい。

(私自身、食べたことがないので味の想像も出来ません。)

 

 

この店主にとっても未経験の味のようでした。

 

 

名前こそ麻婆豆腐ですがもはや全く違うと言っても過言ではない料理。

それにもかかわらず、自分がこだわっている料理名を名乗っているとしたらいい気分はしない人もいるかもしれません。実際に店に向かう途中に(言わされているかもしれませんが)「変なもの出して来たら暴れるかも」なんて過激な発言もありました。

 

 

実際にお店に行くと、自ら名乗り挨拶し、許可を取って厨房に入って作業を凝視。

さらには工程において質問を投げかけたり。

 

料理人としてはもちろんですが、人としての姿勢が好感が持てました。こういう当たり前のことを当たり前に出来る人でありたいですね。

 

 

そして一口食べる。

黙々と食べ続ける。

そして出てきた一言は…

 

「手が止まらん」

 

 

否定するのは簡単だったでしょう。彼のこだわりからは逸脱しているわけですから。

 

しかし、料理に対して全く違うアプローチではあっても、美味しいものは美味しい。

素直に良いものを良いと言える姿勢は素晴らしいと、見ていて清々しい気持ちになりました。

 

さらに「知ったことで自分の料理も変わるかもしれない」という内容のコメントを残していました。

 

これは色々な面で学ぶところが多いと感じました。(仮に全てがテレビの演出だったとしても)

 

 

 

試す勇気と選ぶ賢さ

日常生活、仕事だけでなく趣味、そしてランニング。

 

それぞれの場面において自分のこだわりややり方をお持ちでしょうし、自分の中では正しいと思ってやっていることと思います。

しかし、それに固執してしまうとせっかくの情報を見逃してしまう恐れが出てきてしまいます。

 

今は情報が過剰に流れています。

全部を取り入れようとしたら、身体も時間もいくらあっても足りません。

 

何でも言うとおりにしようというのではありません。

私が言いたいのは、頭ごなしに全否定をするのはもったいないということです。

 

何か今の目標やテーマを設定して練習をしているのであれば、それに該当するであろう情報を聞いたときにまず試してみる。

そして効果を実感できたり感触が良ければ、その意図を把握したうえで導入する。

 

 

変えることには勇気がいります。でもその一歩を踏み出せば違った側面が見えてくる可能性も大いにあります。

 

 

逆にもし試してみて「合わない」と思えば、それを否定したりせずにスルーすればよいのです。

あなたに合わないだけでなく仮に間違っている情報であれば、それは勝手に消えていくでしょう。あなたが否定する労力をわざわざかけるまでもありません。

 

 

今までやっていなかったアプローチを取り入れることで、今まで蓄積したあなたの身体の経験と化学反応を起こして飛躍的に成長を遂げるきっかけになるかもしれません。

 

変に頭を固くするのではなく、取り入れてみる。

そして良いか悪いかを誰かの意見ではなく、自分の身体と頭で必要かどうかを判断し選択する。

 

 

この強さと賢さを生活の色々な面でぜひとも持ちたい、そして読んでくださるあなたに持ってほしいです。

 

 

 

蛇足。

魚介の麻婆豆腐、今度作ってみます!

美味しかったらまたご案内します♪