刻むメリットとコツ。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

RUN de Markという「市民ランナー同士の有料マッチングサービス」が出来ました(説明・画像ともに公式HPより引用)。

ペースメーカーが一緒に走るというところが特色です。

 
そこが立ち上げたイベント・キャンペーンで「ペース正確刻み王」なるものが!なんだか面白そうだぞ。

 

ルールは、予め設定されたペースに対して、どれだけ誤差を小さく出来るかということを競う単純なもの。時計は見ないという条件です。速く走るのとは違いますから、この設定を調整することで計測できるツールを持っているランナーであれば誰でも参加して楽しめる企画だと思います。

 

今回設定されていたのはサブ4ペース(5分41秒/km)とサブ3.5ペース(4分58秒/km)の2つの部門。
サブ4の部の場合、例えば…
5分39秒(-2点)
5分51秒(-10点)
 
のように1km毎の基準タイムとの誤差を点数換算し、減点が少なければ良いというもの。

 

ゲーム感覚大好き、そしてペース感覚には自信がある自分としては参加しない手はありません(笑)

 

実際にやってみた

それぞれの部門に2回ずつ、合計4回のチャレンジを実施。

サブ4、1回目のチャレンジ

サブ4部門は1回目-8点、2回目-6点と質を向上させることに成功しました。サブ3.5部門は1回目-13点、2回目-7点。こちらも向上させられました。

 

私が練習会や大会のペーサーをする際には、基準タイム前後2秒以内を目標にして走っています。もしそれで行くと20点以内という形ですから、それは体現できたのかなという印象。ただ1km毎に誤差を気にしながら走るのは、普通より疲れる!(笑)
結果を見て難しい!と感じました。

 

 

それでも今までのペーサーの経験や日常のトレーニングで意識をしていたことが生きて、大きな誤差はなく走れました。GPSの読み取りや場所による誤差があるので上記数字も目安ではありますが、乱高下したわけではないことは間違いありません。

 

得意だと自負していましたが、もっと精密機械のように刻めるように質を上げていきたいと改めて感じる企画となりました。

 

 

各部門の1位、2位には景品があるとかいう噂ですけども、この数字はどうなんだろう?悪くはないと思うけども、さすがに1位、2位にはなれないかな?

まぁ収穫があったから良しとしましょう。

 

メリットと方法

一定ペースで走る感覚と能力を培っておいて損はありません。

 

その最大のメリットは体力のロスを減らせること。極端な話、2kmを10分で走る時に1km毎に4分-6分で走るのと、5分×2では使う能力が全く違います。マラソンのように長時間の運動を必要とする場合には、後者の方が失敗は少なくなります。
またある程度ペース感覚を持っておくことで、その日の自分の体調を感じ取るきっかけにもなりますし、時計が無くても速い・遅いなどの判断をする材料となります。本番での焦りや周囲の雰囲気に流されてしまうということを回避する確率が上がります。
私は以前ペーサー担当する当日に現地で時計の調子が悪いことに気づき(この時点であり得ない失敗ですが)、まさに丸腰で30km走りましたが誤差30kmの誤差を数秒で押さえることができ、何とか役割を果たせたことがあります。

この能力を培っていてよかったと心から安心しました(笑)

 

デメリットとしては、本番で大化けはしにくいということでしょうか。
極端な攻めをしなくなることを意味するので、想像の範疇でしか成長が出来なくなります。ただ長距離にはまぐれは起こりませんから、想像の範疇で成長できれば十分だと思いますが。

 

 

じゃあどうやったらいいの?という点についてですが、これはいろいろと方法があると思います。
私が気にしているのは、「走りやすいペース」での身体の動かし方(大きさやリズム)、呼吸、足音、視覚から得る景色が流れる早さです。走りやすいペースで行う事で無理なくつかむことができます。

例えば走りやすいペースより速くしたら何がどう変わるのかを感じ取れば、速くするためのポイントがわかりますよね。逆の目線で、先に挙げたポイントをどのように変えたらペースにどんな変化が出るのかという情報を積み重ねることでペースのコントロールを身につけていきます。
ある程度感覚を身につけたら、あとはそれを磨き上げていきます。
 

 

いきなり明日できるような秘訣はないと思います。一定で走るというのは一見シンプルですが、いきなり容易に出来ることではありません。でも積み重ねていけば誰でも今より向上させることは出来ます。

私は音楽をやっていた経験もあるので、リズムなどはその辺りに生かせている気がします。あなたにも独自の経験があるはず。先に挙げたポイント以外にもあなただけの気づきがあるはずです。そこに気が付くかどうか。
それをうまく反映させていけば、きっちりペースを刻むことが出来るようになっていきます。

 

日々のトレーニングに意味を持たせる意味でも、精密機械のような精度を目指しませんか?