「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
病気療養のため、長期にわたり競技から離れていた競泳の池江璃花子選手が1年7か月ぶりに競技会に出場をしました。
出場したのは女子50m自由形。自身が日本記録を持っている種目です。
奥から3人目が池江選手ですが、この画像だけでも身体が細くなったことがわかります。ただでさえ手足が長いところで、筋力が落ちているとその細さが際立ちます。先日池江さん自身の筋トレの動画も見ましたが、本人がコメントしている通り目に見えてわかるほど明らかに筋力が落ちている状態。それでも以前は出来なかったことが出来るようになった!と前を向いているのが印象的でした。
そしてレース結果は、この組1位。
今大会の目標は10月に開催予定の日本学生選手権(インカレ)の派遣標準記録突破としていたようですが、その基準タイム26秒86を上回り26秒32を記録。復帰初戦にしてこのタイムを出せるスケールの大きさに驚かされました。この場に立つだけでも驚異的ですが、結果まで出してしまうとは…
どれだけ苦しかったか、どれだけ努力したか、どれだけこの日が楽しみだったか。
経験した本人しかわからないことですが、レース後に涙を見せたところに垣間見えた気がしました。
「元には戻れないかもしれない。でも病気の子たちにここまで強くなれる、また強くなれることを知ってほしい気持ちや中途半端なまま水泳を終わらせたくない気持ちがある」と話しています。
もう今の姿だけでも十分に、病気の子たちだけでなく見ている人に勇気と元気を与えてくれています。本当にすごいとしか言えない。
今後は本人が楽しんで、思う存分に競技に向き合ってほしいなと思います。彼女は期待やプレシャーを力に出来る人かもしれないけれど、周りは変な期待とか過度な扱いをしないでほしいなとも。
白血病(急性リンパ性白血病)という選手生命どころか命を脅かす病気。また笑顔が見られたらそれで十分です。
ここから波及
この東京都特別水泳大会という大会(記録会)を開くにあたって、東京都の水泳協会は会長の北島康介さんを中心に感染症対策のため、専用のガイドラインを策定していました。準備段階でも模擬レースを行うなど競技実施に沿って実用的な対応をしていたようです。
こうした取り組みが感染症対策として絶対ではないでしょうし、リスクをゼロに出来るわけでもないでしょう。でも何もしないというのは話が違います。
「少しでも安心できるように」この取り組みは成功してほしい。そして他の大会にもいい意味で影響を与えていってほしい。
日本人はベースを生かして発展させる能力は高いと信じているから。
その輪が広がれば、競泳だけでなくあらゆる競技に取り組む選手たちが躍動する「場」を作ることになるはず。少しずつ前へ。
選手のはじける笑顔が見られる場が増えていくように。
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