水気は寒さの敵。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

 

寒くなってきましたが、大会は待ってくれません。

むしろ、寒くなってきたこの季節こそがマラソンシーズンです。

 

 

自分が納得できる結果を出すためには、ある程度寒さや雨の中でも練習を積んでいく必要があるでしょう。

本番が晴れて、快適な気温になるという保証もありません。
ですから、良くない天候であっても動けるように気分的に走りたくないと思える気候でも経験を積んで対応が出来るようにしておくべきだと思います。

※先日の記事で書きましたが、疲労や気分が乗らず予定を消化するためだけの練習なら見送るのも方法です。

 

 

寒さ対策として一番最初に思いつくのは暖かい服装をすることですよね。

ウェアを厚着したり、手袋をつける、あるいは腕や手、首や耳などにウォーマーを装備することで寒さはしのぐことが出来ます。

 

しかし、走り出す前に快適に感じる「万全な」装備にしてしまうと、いざ走り出した時に暑くなり過剰な発汗をしてしまうことになりかねません。

この汗が曲者なのです。

 

汗は体内の熱を放出するのが主な役割ですが、冬の寒空の下で汗をかいて一旦服が濡れてしまうと、冷たい風によってその汗が冷やされ必要以上に体が冷えてしまいます。

場合によっては「低体温症」になりかねません。

 

 

この汗や風にどのように対処できるかが大切になってきます。

たとえば、窓の外に手を出してみてください。

濡れていない手と、濡れている手のどちらが冷たく感じるでしょうか。

 

考えるまでもなく後者です。

仮に温かいお湯でゆっくり、しっかりと温めた手だとしても、同じ結果になります。

 

それくらい濡れている状態は体温を奪います。

体温が奪われると、体温を維持するための回路を活性化させようとエネルギーを費やすため、体力も消耗します。
結果として走ることにエネルギーを集中させることが難しくなり、培ってきた力を発揮することが出来なくなる可能性が高まります。

 

 

この画像は、私が今年のサロマ湖ウルトラマラソンに出場したときのものです。

気温は8~11℃と6月下旬にしてはかなり気温は低かったうえに、雨だったのでポンチョを持って走りました。

変化する天気や場所、体感気温によって着たり脱いだりを繰り返して、うまく調節を出来たと思っています。

 

 

必要なのは、濡れないこと。そして風をなるべく遮ること。

この2点です。

 

ランニングに行くのであれば、「ちょっと肌寒いな」くらいの服装で行くのが良いでしょう。

また外に出たらすぐに走りだせるように、準備体操などはなるべく温かい室内などで行っておくことも有効です。

 

 

タイトにフィットするインナーは長時間のトレーニング時には避けた方が良いです。

発汗しやすくなりますし、濡れた生地が直接肌に触れ続けるので、熱を奪われやすくなり調整が難しいからです。

 

 

外からの空気を遮断しつつ内側の湿気を逃がしてくれるウェア・・・はなかなか高価なので(笑)

大会などの参加賞でもらえるような速乾性のシャツ(長袖)の上にウィンドブレーカーなど風を遮られるものがあれば十分でしょう。

 

ジッパーの上げ下げで空気を逃がしたりすることで温度調節も可能です。

 

ウィンドブレーカーはスポーツメーカーにこだわらなければ、2千円程度で十分機能的なものを安く手に入れることも出来ます。

「アレがないからできない」ということはありませんので、是非とも身の回りのものを駆使して、試してみてください。

 

防寒対策で、もし他にいいアイディアなどをお持ちでしたら教えてください。

 

今回は汗について書きましたが、水分を摂らないなんて無謀なことはせず、しっかり摂って、健康的に運動しましょうね。