勝利だけじゃない。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の決勝。

連覇を目指す福岡第一と26年ぶりの優勝を目指す福岡大学附属大濠の福岡県勢同士の対決となりました。

フラットな目線で見たかったのですが、大濠は私の出身校なので、多少寄ってしまいました。

 

 

試合開始直後から積極的なディフェンスで圧力をかけて速い展開を狙う第一が先手を取る。その流れはあまりに強く、概ね10点以上リードする展開。
ディフェンスの激しさは本当に凄い。常にダブルチーム(2人で1人に当たること)にいってるんじゃないかと感じるほどの圧力。人数多い?と錯覚するほどのスイッチの速さ、運動量の豊富さ。

それに加えて、ゴール下にはスティーブ選手という圧倒的な存在感を放つ選手がいる。

 

その強固な壁を壊そうとぶつかりあう展開。息つく間もないほどの速さ、激しさ、そしてレベルの高さ。決勝にふさわしい試合。

 

 

福岡第一の河村選手と小川選手のガードコンビは強力で、一時は20点以上の差がついていました。それでも何とか粘り、食らいつく福大大濠。最終4Qには一時一桁まで点差を縮めるほど最後まで食らいつきました。

 

それでも河村選手、スティーブ選手の2人がトリプルダブル(主要部門で1試合2桁の数字を3項目以上記録すること)を記録する活躍。特にスティーブ選手の存在感。攻守のリバウンドで常に優位に立てたことで、展開を有利に。その差は埋めきれず、75-68で第一が連覇を達成。
完成したチームという印象で、強さを感じました。

 

 

それでも1桁の点差におさめたのは福大大濠だけでした。特に最後の大濠・横地選手の3ポイントはいろんな思いを込めているのが伝わってきて、ちょっと涙腺が危険でした。
福岡県のレベルの高さを改めて感じる、そんな大会になりました。

生で見たかった…!

 

 

試合後には、双方のコーチが相手チームの選手に声をかけ、選手たちも応援席に挨拶に。
誰もが促されたわけではなく、ごく自然に。

優勝を決めて喜びを爆発させるのは、高校生なら「普通」のことだと思うのです。でもそうではなく、大濠の選手のもとに向かい抱き合う姿がコートにありました。

 

 

もちろん勝つことは大きな目標。でもそれだけじゃない。本当の意味での成長や経験というのはこういうところなんじゃないかと感じました。見ていて清々しかった。

 

こういう「ライバル」が存在し続ける以上は、この牙城は簡単に崩れないのではないか。

でもそれを崩そうと挑んでくることで、相互に成長する。それがさらに上の世代にも繋がっていったらもっと充実するんじゃないかと思います。

 

全選手、関係者の皆様、お疲れさまでした!

 

おまけ

試合で最高のパフォーマンスをするための準備。それが日常の練習。そのひとつひとつを苦しい中でも追い込めることでやりたいことができるようになる。

試合の方が楽と感じられるほどの周到な準備。

 

種目や競技、スポーツではなくても必要な要素だと感じました。