LSDとロング走

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

先日まで約3か月にわたって、マラニックシリーズを行ってきました。たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございます!

一定ペースで、しかも自分の快適ペースではないスピードで走るということの大変さを実感していただけたのではないでしょうか。この経験が土台を大きく強固なものに育ててくれるはずです。

 

さて、その中でも何度かお話をした内容がありました。それが今日の題名でもある「LSDとロング走」の捉え方。

あなたが今日のトレーニングに求めるものは何か、今何が出来るのかを把握できていないと、目的に対して遠回りになりかねません。

 

LSDの感覚

一時のブームから定着した(あるいはそれ以前から)ランニングが習慣になって、規模の大小は抜きにして大会への出場経験があったり視野に入れているランナーは増えたように感じます。
ある程度走れるようになって来たとき、「LSDやってます」という方、多いです。というより、多くなったと思います。

 

でも、それ本当に「LSD」ですか?

 

個人的な印象として、言葉の独り歩きと言う感じを受けることもしばしばです。 表現の違いというか、あげあし取りのような感じになりますが…

 

 

厳密に、「これがLSD!こっちはロング走!それぞれの目的と効果は間違いなくこれ!」というほど明確な線引きがあるわけではありません。 走るという動作は同じですし、一定時間以上動くということも同じです。何が違うかというと、体感強度が一番の違いだと考えます。

 

 

というのも、走力や体力によって同じペースや時間を走っても感じ方が違ってくるからです。たとえばフルマラソンを3時間で完走できるランナーと5時間で走るランナーがいたとして、それぞれの「1kmを6分」というスピードは全く別物になることは想像できますよね。

 

またフルマラソンでベストタイムが4時間で同じ!というランナーがいたとしてもタイプは様々。
全体での平均ペースでいうと約5分40秒/kmが求められるわけですが、前半5分ペースで後半失速する人もいれば、後半盛り返せる方、あるいはほぼ一定で走り抜けられる方などいろんなパターンがあります。


このようにスピードはあるという方、スタミナには自信があるという方いると思います。またその日の体調や気候によってもスピードの感じ方は変わってきます。

ではどうやってその線引きをすればいいでしょうか。

 

息を使う

今は高性能な時計などがあり、心拍数などを計ることで運動強度を視覚的に捉えることが可能になってきています。

しかし、持っていない人ももちろん多いです。

 

誰でも出来るLSDである見分け方。それは「呼吸が楽である」と言う感覚。

 

これであればいつでも、だれでもできますよね。そしてその日の体調や気候によって影響を受けるとしても「呼吸が上がらないように」動けばいいだけです。

ペースを気にするのではなく、呼吸や景色の流れなど感じ方というところに意識を集中させて、距離ではなく時間を意識する。

その際、気をつけてほしいポイントは座り込まないことです。休んでも良いし、歩いても良い。でも座らない。休むなら立って休む。走るのがキツイと感じる場面では歩く。決して座って落ち着かないことです。
効果をさらに高めることが出来ます。

 

これが私のオススメのLSDの方法です。距離やペースを気にしない分、気持ちの負担は小さくて済むように思っています。

冒頭で触れたように「LSDやってるよ」と考えてトレーニングをして、強度が変わってしまったとしてもトレーニング効果はあります。これはLSDに限ったことではありません。
無駄はない。でも効果を高められる方法はまだあるかもしれません。

案外もっとのんびりやることがもっと効果を高めるカギになるかもしれませんよ。