神戸が変わる?

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

私が神戸で活動を始めて3年ほどになります。まだまだ知らない地域は多いですが、来た当初に比べればだいぶわかるようになってきたつもりです。色んな場所を走ったりしますが、この辺りで一番の大会はやっぱり神戸マラソンですよね。

(画像は2016年の大会時のものです…古いっ)

 

神戸マラソンは「感謝と友情」をコンセプトに、自分のために走ることだけでなく人々のために走るマラソンを目指している大会。私も2016、2018年と走らせてもらってます。知っているコースと言うこともあり、個人的に相性は悪くない大会です。

観光地を巡るというような面白みのあるコースではありませんが、元町中華街や海岸線、明石海峡大橋を眺め、そして最後に神戸大橋を渡る街と海を楽しめるようなコース設定となっています。

 

その神戸マラソンのコースは2017年に折り返し地点と終盤のポートアイランド内の一部が変更となり、走る側としては負担が小さくなった印象。そのコースがどうやら今後大きな変更があるかもしれないという記事を目にしました。

 

 

競技性アップ?

今回検討されるコース変更は「競技性アップのためにフラットな(コースの)代替案を考えるべき」と市長が提案したことによる。坂道や風が強い場所を走れば、記録に影響しやすいのは走らない方でも想像できるでしょう。

終盤にある浜手バイパスの急な上り坂を回避するコース設定を検討することを明らかにした。-神戸マラソン「最大の難所」回避の新コース案(神戸新聞NEXTより)

でも平坦にすれば神戸らしさが失われると私は感じます。そもそも坂道があったら競技性が下がるなんてことありますか?
それだけ駆け引きの場所も増えて、むしろ面白さは増すと思います。大前提として世界・日本記録を狙えるようなランナーはこの時期の大会にはまず出てこないので、コースを変えたところで、市長が想像する「競技性」は上がらないと思われる。

 

 

確かにこの坂はしんどい。終盤の勝負どころ37km(※)を過ぎてのあの坂道はまさに「壁」のように感じることもある(※以前は約35km地点)。この坂さえなければ、もっと速く走れると感じることもないわけではない。

 

でも、浜手バイパスの坂を上り、普段はランナーどころか自転車も通れない道を逆走出来るという貴重なコース。しかも、神戸大橋から港を一望できる景色も普段はゆっくり見ることは出来ない。
この部分だけは一般道ではなくなるので沿道からの一般人の応援はなくなるのだが、毎年学生ボランティアが、狭い道幅の道路の両サイドで声を枯らしてくれる。あの距離で声かけられたら手を抜けないだろう。さらに坂の右手にあるホテルの駐車場から、ホテルの従業員も手を振ってくれる。

こんなに力の出る場所は貴重だと思う。そして何より、最後のあの坂を涼しい顔で上りきってこそ、ランナーの醍醐味でもある気がする。きっとこんな考えを出すのはあの坂を上りきって達成感を味わったことのないからだろう。

 

 

もちろん記録は狙いたいと思う。そういう思いのランナーは少なくないだろう。でもだからといってコース変更は違う。
記録を出したいなら、そのコース設定にも負けない準備をして臨めばいい。どうしてもフラットな高速コースに出たいなら他にもある。神戸マラソンは神戸らしさを感じられる方がいい。(すでに神戸と言いながら外れた地域もあるのに…)このうえで港まで味わえなくなったら、もはや「神戸じゃなくていいじゃん」とさえ思う。

 

もし理由が交通の便などを考えてというのであれば、走らせていただいているわけでコース変更も仕方がないと思う。でも今回の理由は違う。ランナーに良かれと思って(?)やっていると取れなくもない。

 

もし決まれば2021年以降に導入されることになるらしい。個人的にはあまり賛成できないけれど、どうなることやら。

 

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