バリエーションで遊ぶ。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

私が考えるランニングの基本は、身体を効率よく使うこと。その基本を身体に覚えさせるためにはジョギング(余裕を持って走れる速度)が効果的だと考えます。

ただそれだけでは身体の成長速度はそれほど上がりません。もし、今よりも速く走れるようになりたいという理想を抱いているのであれば、それに加えて強化を目的とした内容を刺激として行うのが成長を促進する助けになってきます。

 

それがポイント練習。

ポイント練習は「頑張る必要がある練習」と思っていただければ良いです。内容は長時間動くようなものでも良いですし、速さの刺激を求めても良いでしょう。心拍に負荷をかけていくようなやり方もあります。その時に目的とした内容で頑張ると思えば、そんなに難しく考えることはありません。

私が行うポイント練習はロング走などの長時間運動を行ったり、ビルドアップ走やインターバル走、レペティションなどでスピードの刺激を入れる方法などを行っています。そんな中から今日はインターバル走について、少し触れてみます。

 

 

インターバル走

intervalとは合間、間隔、休憩時間と言う意味があります。インターバル走とは簡単に言うと「速く走る」疾走と「ゆっくり走る」緩走をセットとして繰り返す走り方のことを言います。

スピードをグラフで表すとこんなイメージです。

 

インターバル走のメリットとして考えられるものをいくつか挙げます。

 

まずは心肺機能への刺激。いつもより速く動きますので、当然ながら呼吸が上がります。呼吸に働くのも筋肉。その機能を高めることで、呼吸での酸素の取り入れ方が変わってきます。酸素はエネルギー系統に影響を及ぼしますので、疲労の感じ方にも変化が出てくる可能性があります。

 

次に筋力への刺激。速く動くということは、自然と身体も大きく動かすことに繋がります。大きさだけでなく素早く動かそうとしますので、可動域や身体の動きを制御する機能に働きかけることが出来ます。

 

そしてメンタルへの刺激。頑張る必要がある中、決めた距離や時間をやりきることで成功体験の蓄積が出来ます。この成功体験を効果的に味わうには、1セットあたりのハードルを高くし過ぎないことがポイントです。また達成感を味わえることで、次への意欲、そして自分に自信を持つことが出来ます。

 

ただしそのような効果が高い一方で、負荷も高いトレーニングでもあります。怪我のリスクもありますので、頻度や強度には注意が必要です。

 

 

バリエーションは多種多様

よく目にするインターバルは、400mでつなぎを200mのショートインターバル、1000mで200mつなぎ、2000mでつなぎが400mのロングインターバルなどでしょうか。一般的に私が行うインターバル走の中で一番頻度が高いのは、400m+100mつなぎです。

取り組む種目によって求められる能力が異なるので、その種目に合った効果的な刺激を入れるには工夫をする必要が出てきます。同じ距離でもつなぎの距離を変えればまた負荷や効果が違ってきますし、1000mで200mを繋ぎにしたり、3000m+1000mなどいろんな変化をつけることが出来ます。

 

また距離ではなく時間で行うのも一つの方法です。2分疾走から30秒つなぎなど、一定時間を決めて取り組む方法であれば、GPS時計などを持っていなかったり、周囲に距離がわかる場所がないという方でも比較的簡単に取り組めます。

いずれの場合もつなぎ区間で楽をし過ぎないことが重要です。つなぎもインターバルを構成する要素の1つなので、ある程度コントロールしながら走ることがカギです。速く走るというよりはテンポよくというイメージで行うと良いと思います。

 

 

今週、実際にやってみました(参考記事:今日、誕生日)。20秒疾走で10秒つなぎ。一時期話題になった「タバタプロトコル」の時間枠を用いた高強度インターバルトレーニング(HIIT)的なイメージで。

正直つなぎが短くて、かなり強度は高かったですが、10本やってもたったの5分で終わります。終わりが見えているという意味では、比較的挑戦しやすいかもしれません。

明らかに中盤が落ちていますね…良くない例です。初とはいえタレすぎました。次への課題。

 

 

当然ですが、休みの区間を短くすれば体感強度は上がります。しかし、単純に強度を上げれば良いかというとそうでもありません。インターバルという刺激を入れるには一定区間で心拍を下げることで、その効率を上げることに繋がりますし、自身がやりぬける可能性を上げることが出来るからです。

 

 

行うことより回復を大事に

インターバルは効果も期待できますが、その分心身への負荷は高いです。頻度は多くても週に1回程度、月間2~3回程度でも十分効果が狙えますので無理して行うことの内容にしましょう。

疲れたときには回復を促すために、タンパク質(プロテイン)摂取というのも手です。私は強度の高いトレーニングの後には以下のリカバリーパワーを使います。

ココア味は適度な甘さで香りも強すぎないので飲みやすいと思います。

 

 

ハードルを下げる

効率が高いとはいえ、1人で取り組むとどうしても疾走区間で「甘え」が出てしまい力を引き出すことが難しいというのも事実。追い込むためには目標があった方がやりやすいのではないでしょうか。

誰かと行うことで、背中を追ってみたり、追われながら逃げる感覚を味わいながら行えば、1人で行うよりも自然と身体を動かせるようになります。こういうスピード系の練習時には1人の練習よりも複数で行うことで、取り組みに対するハードルを多少下げることが出来ます。

 

またやり方がわかっていない段階では誰かについていって、その感覚を体で覚えることも出来ます。

毎週行っている練習会において、インターバルなどスピード系のメニューを行う場合もありますので、ご活用ください。お待ちしています。