目線をどこに向けますか。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

あなたが減量をしようと考えて、来月までに2kgを目標としたとします。
まず何をしようとするでしょうか?どこに目を向けるでしょうか?

ある人は食事の量や内容を変えるかもしれません。
中には食事そのものを抜くような形をとる人もいるかもしれません。
またある人は、運動量を増やしてみるかもしれません。
あるいは、エステやサウナなどを用いて、外からの刺激で試みる人もいるかもしれません。

様々な方法が考えられます。
もしかすると、この時に目を向けた場所は目線がズレているかもしれません。

 

単純に「見た目の数字を減らす」ための減量であれば、食べる量の調整が手っ取り早いでしょう。
ただ体に良くないのは明らかです。それはきっと本人もわかっているでしょう。そして失敗例として大きな要因のリバウンドを起こしやすくなってしまいます。

 

目先の変化を求めるのではなく、身体のことを考え健康を害することなく根本からの変化を求めるならば、「基礎代謝」に目を向けるべきです。

 

基礎代謝とは、最低限必要な生命活動、つまり内臓を動かしたり体温を維持するために自動的に行われる生命活動に用いられるエネルギーのことを指します。
寝ていても心臓や内臓、脳や寝返りで筋肉は動きますよね。その時に用いられるエネルギーのことです。

その基礎代謝ですが、身体の部位の中で高いものはどこでしょうか?

 

多くの方は筋肉を想像されると思います。
「基礎代謝量を増やすために筋肉トレーニングをしましょう」というのはよく目にするからです。

それは間違いではありません。
ただし、筋肉をつけるのはある程度の期間が必要ですし、筋肉は質量が大きいので体重が増えてしまうことも可能性として考えられます。

それよりも効果の出やすい部位があるのです。
以下のデータをご覧ください。

 

肝臓:27%
脳:19%
筋肉:18%
腎臓:10%
心臓:7%
その他:19%
(引用文献:FAO/WHO/UNU 合同特別専門委員会報告,1989年)

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これは基礎代謝量を示したデータです。

肝臓や脳の方が筋肉よりも高いことを表しています。

もちろん被験者の違いもあるので一概には言えませんが、その可能性があるというだけでも意味のあるデータです。

ある種のトレーニングをして、基礎代謝量を10%向上出来るとしましょう。
27%の場所と18%の場所。
どちらがより効果が出やすいかというと、当然27%の元々大きなエネルギーを必要としている箇所と言えます。

 

そして肝臓はどこにあるかというと、胴体の部分にあります。
胴体には同時に「内臓脂肪」と呼ばれる脂肪が多くある部位でもあります。

肝臓をより活発に動かすことにより基礎代謝量を意識的に増やし、その近くにある内臓脂肪を効果的に燃焼させることがやりやすくなるのです。

 

しかし、ここで問題があります。筋肉は自分の意志で動かすことが出来ても、内臓を意識的に動かすことは出来ないのです。
ただ一つ、「間接的に」動かす方法があります。

それが「腹式呼吸」です。

腹式呼吸は胸式呼吸とは違い、体の深い位置で奥底まで酸素を送るようなイメージです。
腹式呼吸が実行できたとき、横隔膜が動きます。

横隔膜が動くことで、内臓に刺激が入ります。
動き方を教えてあげることが出来るのです。

2輪の自転車に初めて乗るときに、大人に後ろを補助してもらう形に似ています。
その動きをあらかじめ覚えさせることによって、自発的にその動きを出来るように促す役割を腹式呼吸が担ってくれます。

減量をしようと考えている方がいらっしゃるなら、根本から燃焼しやすい身体を作り、結果を残すことを目指してみてはいかがでしょうか。

 

呼吸の方法をどのようにすればいいかというだけでなく、食事のメニューの組み方についてもあなたの力になることが出来ます。
今、考えているという方はご連絡をお待ちしております。カウンセリングは無料で行っております。

 

燃焼のしやすさや、気になるリバウンドなどに関しては明日補足したいと思います。