「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛の野見山健治です。
9月8日~10日に福井県で行われている日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)。
9日に行われた男子100m決勝で、桐生祥秀選手が優勝しました。
※画像は昨年のリオ五輪のものです。
勝ったことはもちろん凄いことですが、それ以上に凄いのがその記録。
9秒98。
「10秒の壁」と言われ続けたものを突き破っての9秒台に突入です!
メンタルブロックを壊せるか
私は短距離どころか学生時代に陸上競技に取り組んだことがありません。そのためここからは想像がほとんどと言えます。
経験者の方から見ると「こいつ何言ってんだ」と思われるかもしれませんが、あえて書きます。
最近の日本の短距離種目は非常にレベルが高くなっています。
日本には世界記録を出したウサイン・ボルトのような爆発的なタイムを持っている選手こそいませんが、持ちタイムの上位者の平均を見ると実は世界でも上位なのです。
2017年の記録に限ってみるとタイム上位10名の平均では、なんと世界で5番目。参考:世界選手権データより。
それだけ粒は揃っているのに、公式記録では約20年間破れなかった伊東浩司の10秒00の記録。
そこにはメンタル面も影響があったと考えます。
「10秒は壁だ。越えるのは難しい。」
騒がれることで、少なからずこの意識があったのではないでしょうか。
それが今回、桐生選手が壁を突き抜けてくれました。
このことで日本トップレベルの選手たちの中に「桐生が出来るなら俺にも出来る」という意識が芽生える可能性があります。
今までしのぎを削ってきたライバルたちにとっては、9秒台という数字をより現実的に感じられるきっかけとなるのではないでしょうか。
現にこのレースで自己ベストながら2位となった多田選手や山縣選手はコメントの中で「悔しい」という表現を使っています。前後の文面により本人の意図は違うところにあるかもしれませんが、少なからず、レースに負けたこと、タイムで先を越されたことに対する悔しさはあるのかもしれません。
そもそも桐生選手自体がその悔しさを感じていたところがあると思われます。今年の日本選手権では4位となり、世界陸上には個人での参加は出来ませんでした。
それを乗り越えての今回の大きな一歩。だからこそ余計に価値があるのではないでしょうか。
ともあれ、これがお互いのさらなる発奮材料となる可能性は大いに秘めていると思います。
これからの日本短距離界にさらに期待です。
ともあれ、桐生選手おめでとうございます!
自分の周りには発奮材料はたくさんある
レベルは違えど、私たちにもこのようなことはあると思います。
「一緒に走り始めたAさんが初めて大会に出た」
「ラン歴が近いBさんが自己記録を出した」
「この間まで勝ってたCさんにタイムを抜かれた」
「あのDさんがサブ3を達成した」
もちろん自分の中で成長をするためだったり、健康維持という方にとっては周りは関係ないという方も当然いらっしゃると思います。
私も人と比べることが良しというわけではありません。しかし、やる気をかきたてる手段の1つとして見ることは出来ます。
ただし、そこが燃え尽き症候群とならないよう、自分の目的を見失わないことは大切です。
モチベーションを高く保てるための手段として活用してみてはいかがでしょうか。
Pingback: 10年ぶり。 – 相支走愛