世界ランクトップの戦いから感じたこと。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

テニスの女子シングルス、全豪オープンの決勝が行われました。大坂なおみ選手とクビトバ選手。

第3セットまで持ち込まれた熱戦は大坂選手が制し、見事全豪オープンで初優勝をおさめました。これでグランドスラム大会では昨年9月の全米オープンに続いて2大会連続での優勝という偉業。この結果、週明けでの最新世界ランキングでは1位になることが確定。世界一!凄い!

 

第1セットでは大坂選手がブレークチャンスを握られましたが、5連続ポイントで跳ね返す。お互い全く譲らずキープを続け最終的にはタイブレークを制した大坂選手が先手を取りました。
第2セットでは大坂選手が先にブレークをして優位な展開に持ち込みました。クビトバ選手の3-5の第9ゲームに0-40のチャンピオンシップポイントまで掴みました。しかし、クビトバ選手がそのピンチを凌ぎきり、さらに勢いに乗って4ゲーム連取で一気に逆転を果たし第2セットを奪い、最終セットへ。

ここで正直、見ていて厳しいなと感じました。明らかに表情が変わってきて、集中力が落ちているように見えたからです。苛立ちも目立ちましたし、そこまでのプレーに比べて精彩を欠いているように見えました。一方、クビトバ選手は勢いに乗りました。

それでも第3セットで崩れませんでした。第3ゲームで大坂選手が先にブレーク成功。途中ブレークバックのピンチでしたが、それも凌いで逆にブレークチャンスを掴みました。ここはクビトバ選手が意地を見せて5連続ポイントでキープ。最後はしっかりとキープをして優勝にたどり着きました。

 

 

当たり前と言えば当たり前ですが、グランドスラムの決勝で簡単な試合はあるはずがありません。
世界トップクラスの選手同士であれば、利き腕やプレースタイルの相性で得手不得手が分かれるかもしれませんが、技術だけを比べたら際立った差があるわけではないくらい高いレベルにいるはず。その持っている力をどれだけ効果的に出して、そして勝負所を見極められるかという精神的なところが大きな影響をするものだと感じます。

 

今回はそういう意味でも非常にレベルが高く、息をのむ展開でした。特に第2セット中盤からのクビトバ選手の盛り返し、そしてそこから気持ちを切り替えて最後に集中力を見せた大坂選手。双方凄かった。見ごたえ十分でした。

敗れはしたけどクビトバ選手は自己最高のランキング2位に。大怪我を越えての復帰があの終盤の気持ちの強さにも繋がっているのでしょうか。

試合後のインタビューで、お互いに敬意を示し感謝を表すのを見ていて、清々しい気持ちになれました。最後まで凄い試合をありがとうございます。そしておめでとうございます。

 

 

上手くいくことばかりじゃない

私たちをこのようなトップアスリートと比べるのはちょっと違うかもしれませんが、学べる要素はあると思います。

画面越しに見ていても何となく感じられる「流れ」というのがあります。終始自分のペースで圧倒出来れば勝つことは容易になりますが、そういう展開はなかなかありません。やっている最中に上手くいくこと、同じようにやっているつもりでも上手くいかなく感じることもあるでしょう。

そんな流れが自分の方に来ていない時に、どうやって気持ちを切り替えられるか。

 

上手くいかない、出来ないことに注意を向けすぎると出来ていたことさえ難しくなりますし、気持ちも乗りません。かと言って無視もできないし。

そういう時はやってきたことに自信を持つことが一つの解決策だと考えます。「あれだけやってきたから大丈夫」と考えられれば、そういう難しい場面に直面したときに乗り越える助けになるかもしれません。

 

逆に言うと、日常での取り組みに意味を持たせていなければ、こういう時の助けになる材料を持ち合わせることが出来ないということになります。

しっかりと日々の中でテーマを持たせて、本番を意識した練習をすること。せっかく練習に時間を費やすのであれば、より濃い時間にしていく方が実りがあるのではないでしょうか。

日々を大事にすることで自信を深めることに繋げられるかもしれません。

 

 

他にも本番に生かすためのいろんな取組があるでしょう。

「自分はこういう意識でやっている」というものがあれば、是非お聞かせください。