往路、いろいろありました。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

元日のニューイヤー駅伝は最後までもつれる展開で非常に楽しめました。(参考記事:醍醐味、凝縮。)

2,3日はやっぱり東京箱根間往復大学駅伝競走、通称箱根駅伝です。私の中では見るのがもう習慣。家族に呆れられるほどに見入ってしまいます。

 

優勝争いの話題の中心になるのは、5連覇を狙う青山学院大学になるのは仕方ない。今シーズンも結果残してきてますからね。たとえどこが勝つにしても、面白い展開は期待したいところ。

 

 

展開

先手を取ったのは東洋大学。昨年に続いて西山選手が区間賞。今シーズンの駅伝では思うような結果が残せていない中、復調してきてきっちりと結果を残しました。
しかし残り3km地点まで仕掛ける選手が少なかったこともあって、1分以内に15チームの大混戦。

 

2区では予選会からの出場校が大活躍。先頭争いをした中央大学堀尾選手、後方から強烈な追い上げを見せた日本大学(インカレ枠)ワンブイ選手、順天堂大学の塩尻選手らが区間上位に来て順位も大きく変動。そんな中先頭に立ったのは、ヴィンセント選手の快走でまさか(と言ったら関係者に怒られそうですが)の国士舘大学。

見る側としては面白くなってきました。

 

 

3区。上位陣が無難に走る中で爆発的な走りをしたのが青山学院大学の森田選手。本調子じゃなかったらしいですが、区間タイムで2位を1分以上上回る区間新記録で8位から一気に先頭へ。遅れていたため大きく取り上げられていませんでしたが、区間2位の明治大学の阿部選手も素晴らしい記録。

前の区間で先頭に立った国士舘大学は区間18位と遅れ11位に後退。ここ数年はタイムなどを見ても全体のレベルが上がってきています。ひとつでも大きく遅れてしまう区間が出てしまうと上位に来るのは難しくなっている印象。逆に言うと、爆発はしなくてもそつなく走ることは必須条件なのかもしれない。もちろん爆発力はあった方が楽になるのだが、そうは簡単にいかないのも事実。

 

4区でも区間新が生まれました。トップ青山学院大学と8秒差の2位スタートとなった東洋大学の相沢選手。一気に逆転し、大きく後続を突き放す凄い走りで2位に2分40秒ほどの大差をつけました。2番手には舘沢選手が区間2位の記録で上がってきた東海大学。区間15位と遅れた青山学院大学はトップと3分30秒差の3位に後退。これはさすがに誤算でしょう。

それでもやはり3強が上位に集まってきた。

予選会組、駒沢大学も着実に繋ぎ4番手。一方区間3位と気を吐いた早稲田大学の清水選手。しかし、2区での大きな遅れが響きシード権内にもまだ届かない14番手。日体大は18位、城西大も19位と昨年の上位校が苦しむ展開に。

 

 

そして5区。

箱根駅伝と言えばやっぱり山。

国学院大学の浦野選手が素晴らしかった。入りからガンガンいく攻める走りで区間新を記録。一気に3位まで押し上げた。

区間2位の東海大学の西田選手も苦しい表情ながら最後まで粘り、1位との差を1分14秒まで縮めた。区間3位は昨年区間賞を取った法政大学青木選手。今年もひたひたと堅実に走り、昨年の自身の記録を上回り、チームを12位からシード権内の5位まで持ってきた。

青山学院大学は区間13位と遅れを取り戻せず、トップと5分30秒の6位に。5連覇黄信号か。

 

 

目が離せない復路

明日は下りで実績を残している東海大の中島選手が追う展開でスタートする。逃げる東洋大学の今西選手も昨年6区5位と決して見劣りしない。往路では取りこぼしをしなかった東洋大学・東海大学・駒澤大学が復路でも着実に走れるのか。

5連覇を狙う青学は下りの小野田選手、7区の林選手と強い選手を並べているがこの大差がどう響くか。

上位校は強い選手補欠に置いていたりする。体調などはわかりませんが、実績だけで行くと東海大の關選手、青山学院大学の鈴木選手、順天堂大学野田選手などを当日エントリーで相手の出方を伺いながらカードを切ってくることになるはず。

 

ともあれ、ますます目が離せない展開になりそう。

 

心配な出来事

1区、スタート直後数十秒でまさかのアクシデント。これから集団を作ろうかとしている段階で大東文化大学の新井選手が転倒。その直前には少し周りを気に掛ける素振りがありました。位置取りを気にしたのか、足元を見たのかはわかりません。その影響があったのか、完全に転倒。
こけるだけならリズムが乱れてしまうくらいで済むかもしれませんが、起き上がった直後から足を引きずり、明らかにダメージがありました。

脚が当たった選手なのか、倒れたことに気が付いたのか振り返っている選手もいます。その後の21kmほどを脚を引きずりながら走る苦しい展開になりました。

運営管理車内の監督は脚の状態を気にかけて選手に声をかけていたそうですが、本人は大丈夫だと答え走ることを選びました。

 

そりゃそうでしょう。今まで取り組んできた練習を知っている。チームや周囲の人の思いも感じている。最上級生でもある。ましてやスタート数百m。この状況で、自分の意志でやめられる選手がいるだろうか。

勝手に無理にやめさせられないこともわかる。続けさせたい思いもわかる。続けたい気持ちもわかる(つもり)。駅伝の難しさ。答えは見つからない。

でも選手を守る規則のようなものは必要なのかもしれない。とにもかくにも中継所まではたどり着きましたが、怪我がひどくないことだけを願います。

 

実況は盛り上がって(喜んで?)いるように聞こえたけれど、そこは感動するところではなく心配をしなければならないと思う。そういうお涙ちょうだい的なエピソードなどもいらない。純粋にスポーツを、競技を楽しめる実況が欲しい。最近はそういういい意味で「単調」なものがないのが寂しい。

 

 

蛇足。

全員が同時にスタートする1区、足元に注目していましたがNIKEのシューズが半分くらいでしたね。走り方に合ってさえいれば、とても良いシューズなのでしょう。ただシューズに振り回されるようであれば、あなたの走力が初心者であろうと世界レベルであろうと、シューズの性能がどんなに飛びぬけていようとそのシューズは見合わせた方がいいです。

あなたの今の身体の使い方での走りを邪魔しないシューズが、一番いいものですから。と言っても、それを探すのが大変なんですけどね(^_^;)