慣れて負担を軽くする。

JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。

だいぶ秋めいてきて、朝晩の気温が下がって来たなと感じる今日この頃です。
あなたの住んでいる場所はいかがでしょうか。

 

暑熱馴化(じゅんか)という言葉は聞いたことがある方もいるかもしれません。
簡単に言うと暑さに身体を慣れさせることを言います。

春から夏にかけて気温が高くなってきます。
冬~春は寒かったり、比較的過ごしやすい気候の時期ですので発汗量は夏に比べると少なくなります。

その為発汗することによる熱の放出がスムーズにできにくいのです。
発汗を促し体内の熱を上手に逃がすことが出来るようにすることで、暑さへの馴化を進めることが出来ます。

 

 

暑くなり始めるときに合わせて、発汗しやすい環境を何度か体験することが大切です。
場合によってはサウナのようなものでも良いかもしれません。
※水分補給はしっかりと!

 

一方、寒冷馴化はどのようにすればいいのでしょうか。

今はまだ「寒い」というほどの気温でもありませんが、これから気温は下がる一方です。

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出来ることなら早い段階から慣れを進めることで、なるべく楽に過ごせるようにしたいですよね。

 

寒さに対する慣れは生理学的に大きく分けると以下のように分かれます。

・断熱型寒冷馴化: 皮膚血管の収縮による皮膚温度の低下の促進が起こり、熱放散の抑制が促進することによって、耐熱保持能力を高める。

・低体温型寒冷馴化:慣れによって体温の設定水準が低下して1-2℃の体温低下に対して特に体温調節反応を起こすことなく正常の生体機能が維持されるようになる。
・代謝型寒冷馴化: 熱産生の促進は骨格筋の不随意的収縮であるふるえである

-黒島晨汎(1996) 寒さへの調和

 

挙げたものが全てではありませんが、これらの型は寒さの程度や期間と言った環境や生活習慣によって左右されるようです。

 

簡単に言うと、繰り返し刺激を加えることで寒さに対する反応を弱くさせて慣れさせるということです。

暑さと変わりませんね。

 

今は便利な世の中ですので、快適な空間が空調によって作られています。
しかしその環境に慣れ過ぎると、外の気温の変化に対応する能力が下がってしまいます。

その結果、身体の負担は大きくなり、運動する場合は満足なパフォーマンスを発揮するのが難しくなることもあります。

 

日中の明るい時間帯だけでなく、ちょっと早起きして新鮮な空気を吸いながら、あるいは夜のひんやりした空気を感じながら身体を動かすことで、気温の変化への慣れを進めることが出来ます。

空気を感じると同時に、秋らしい香りを楽しみながらというのもいいかもしれません。
キンモクセイやぎんなん、あるいはどこかの家庭から香ってくる焼ける秋刀魚のにおい・・・

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秋ならではの空気でもあります。

そのような空気を味わいながら、季節の移ろいを文字通り肌で感じる。
そうすることで一気に寒さに突入するより、身体への負担を小さなものにしていきましょう。