JRTA(日本ランニングトレーナー協会)認定ランニングインストラクターの野見山健治です。
前回は「病は気から」というところに着目して、その「気」を上げる方向で使っていこう!とお伝えしました。
気持ちというのは本当に不思議なもので、その影響力は思っている以上に大きいです。
例えばお気に入りの曲を聴いていても、「最高♪」と思える時もあれば「今はちょっと…」と感じることもあるかもしれません。
目標で自分の気持ちを上げるというのは、自分に対する有効な手段です。
では、自分を取り巻く環境や周囲の人などに対してはどうでしょうか。
環境というのは簡単に変えられるものではありませんし、自然に関しては変えることそのものが不可能です。
しかし、「目線を変える」ことはできます。
その方法は「感謝をする」ということです。
何かしてもらった時に感謝の気持ちを抱き、「ありがとう」と伝えることは比較的簡単です。
でもいつも誰かに何かをしてもらえるわけではありません。だからこそ受け身な感謝ではなく能動的な感謝。
昔のアニメで「よかったさがし」をする物語がありましたが(ご存知でしょうか…)、その姿勢は前向きに取り組むために大きな力になります。
ランニングに関して、今日走れたという事実があったとします。
もちろん、走ろうとした自分が努力したから出来た事実ではありますが、その時間をくれた家族に対して、今日痛みを感じることなく頑張った自分の体に対して、走れる天候になったことに対して、「ありがとう」と抱ける視点を持っていただければと思うのです。
ただ、
「今日も終わった、疲れた。」
と感じて終わるより、
「今日も無事に終われた、気持ちよかったーありがとう!」
と感じて終わったほうが、明日にも繋がる気がしませんか。
そしてランナーであれば、どこかしらの大会に出場したいと考えるようになると思います。
その大会では、それを運営するにあたって支えてくださる多くのスタッフがいらっしゃいます。
近隣の住民の方の理解と協力があって成り立っています。
道路が規制されたりと、少なからずご迷惑をお掛けしているにも関わらず、「頑張れー」と応援してくださる方もいます。
それを「参加するためにお金払ってるんだから当然だろ」と感じてしまうのか、「こんなに気持ちよく走れる環境を作ってくれてありがたい」と感じられるのか。
言葉はなくても、態度や雰囲気には出ます。相手に与える印象は絶対的に大きな違いが出てきます。
そして沿道からは、文字通り力をもらうことが出来ます。
私は大会に出る時は、沿道の方やエイドスタッフ、大会スタッフを見かけると「ありがとうございます!」と伝えるようにしています。
身内のランナーを待っていると思われるただ黙って立っている方にさえ「ありがとうございます!」と手を振ります。
すると、「お、おう、がんばれよ」と返ってきます(笑)
この応援や、エイドでのやり取りなどは間違いなく自分の後押しをしてくれます。何より楽しく走れますし、応援してる側も何もリアクションがないよりいいと感じてくれてるのではないかと思うのです。
お互いに気持ちよく終わるためにも、これからに繋げるためにも「ありがとう」は大きな力となってくれることでしょう。
誰かに対する、「怒り」や「負けん気」もモチベーションを高くするためには大きな力を発揮しますが、一時的な面が大きいです。
それに対して「感謝」であれば、いつでもできる、そして持続可能なエネルギー源となります。
最初は照れくさいと思うかもしれません。特に家族に対しては。
でも、口に出してみましょう。出来なくても心で呟いてみましょう。
その一歩が、1年後に大きな違いとなって自らの力になってくれることでしょう。
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